ロレックスの買取相場の推移についての基本情報
ロレックスとは? ブランドの歴史と信頼性
ロレックスは1905年にハンス・ウイルスドルフがロンドンで創業した時計会社に始まります。1908年には「ロレックス」というブランド名を登録し、腕時計に高精度のクロノメーターを搭載することに挑戦しました。1910年には世界初の腕時計用クロノメーター証明書を取得し、1914年にはキュー天文台から高精度の「A級」認定を受けます。
1926年には完全防水・防塵ケース「オイスターケース」を発表し、翌年には水泳家メルセデス・グライツが英仏海峡横断で着用するなど、その性能を実証しました。1931年には自動巻き機構「パーペチュアルローター」を発明し、腕を振るだけでゼンマイが巻き上がる画期的な構造を採用しました。
1945年には日付表示を備えた「デイトジャスト」を発売し、これまでの腕時計の常識を変えました。こうした歴史的なイノベーションの積み重ねがロレックスの高い信頼性とブランド力を支えています。
ロレックスの主なモデルとその人気
2025年時点で人気の高いロレックスモデルは、スポーツラインとクラシックラインに大別できます。
代表的なスポーツモデルとしては、レーシングの世界にインスピレーションを受けた「コスモグラフ デイトナ」が挙げられます。最新のRef.126500LNはステンレススチール製で、黒色セラクロムベゼルにタキメーター目盛りを備え、正規店での新品定価は¥2,349,600(税込)です。
またダイバーズモデルの「サブマリーナー」は定番人気で、日付付きのRef.126610LNが¥1,570,800(税込)、日付なしのRef.124060が¥1,400,300(税込)と比較的手の届きやすい価格帯からラインナップされています。GMT機能を備えた「GMTマスターⅡ」は旅行者に人気で、二色の回転ベゼルが特徴的なRef.126710GRNRは¥1,633,500(税込)前後で販売されています。
クラシックモデルでは、探検家向けに誕生した「エクスプローラー I」が根強い支持を受けています。36mm径のRef.124270は¥1,104,400(税込)、2023年から加わった40mm径のRef.224270は¥1,166,000(税込)です。
さらにドレスウォッチの「デイトジャスト」は幅広いケースサイズと素材があり、ビジネスユースからカジュアルまで幅広いシーンで支持されています。
こうしたモデルは耐久性と資産価値を兼ね備えているため、中古市場でも人気があります。
買取相場とは? 定義と計算方法
時計の「買取相場」とは、時計を中古市場で買い取る際に提示される平均的な価格帯を指します。新品定価と異なり、買取相場は時計の状態・付属品の有無・生産終了の可否・需要供給バランスなど多くの要因によって変動します。
例えば同じモデルでも保証書や箱が揃っている場合と欠損している場合では数十万円の差が生じます。さらに希少な限定モデルや正規店で品薄のモデルは新品定価を超える価格で取引されることもあり、逆に生産量が多く流通が豊富なモデルは定価未満となることもあります。
買取相場を把握する際は、新品定価に対して何倍の価格で取引されているかを見るとわかりやすいです。例えば2025年8月時点での人気モデルの定価に対する買取価格比率をまとめると以下の通りです。

デイトナ126500LNは定価の約1.7倍、GMTマスターⅡ126710GRNRは約1.6倍で推移しており、中古でも高額取引されることがわかります。このように、相場を定価比で考えることで投資効率や売却タイミングを判断しやすくなります。
ロレックスの買取相場の過去の推移

最近10年間のロレックス買取相場分析
過去10年間でロレックスの買取相場は右肩上がりの傾向にあります。2015年頃からじわじわと上昇し、2020年以降はコロナ禍による供給停滞や世界的な投資需要の高まりから急激に高騰しました。
以下のグラフは平均買取相場の指数変化を示したものです。

2019年までは穏やかな上昇でしたが、2020年以降は急激に値上がりし、2025年現在は2015年比で約2.3倍まで上昇しています。
特にデイトナやGMTマスターシリーズはモデルチェンジや生産量の制限によって中古需要が高まり、相場上昇を牽引しました。
ロレックス相場の20年比較と動向
長期的な視点で見ると、ロレックスは約20年をかけて徐々に価値を高めてきました。
2005年頃には円高や国内需要の低迷で落ち込んだ時期もありましたが、ブランドが世界的に拡大するにつれて需要が回復し、資産価値としての認識も広がりました。以下のグラフは2005年から2025年までの買取相場を指数化したものです。

2010年代は緩やかな伸びでしたが、2020年代に入ると加速度的に上昇し、金や為替の上昇、世界的な時計投資ブームが背景にあります。
過去の価格推移をグラフで分析
モデル別に過去から現在にかけて定価と買取相場を比較すると、プレミアが付いているモデルが明確になります。以下の棒グラフは2025年の新品定価と2025年8月時点の買取価格を比較したものです。

デイトナ126500LNは定価¥2,349,600(税込)に対して買取相場が約¥4,000,000前後と大幅に上回ります。
サブマリーナー126610LNは定価¥1,570,800(税込)に対し約¥1,940,000と定価を上回るがその差はデイトナほどではありません。エクスプローラーI 36mm(124270)は定価¥1,104,400(税込)と買取相場¥1,100,000前後がほぼ同水準で、新型40mm(224270)は若干上回る程度です。
またGMTマスターⅡ126710GRNRは定価¥1,633,500(税込)に対し約¥2,740,000と高倍率を示し、人気の高さが際立ちます。こうした比較から、プレミアムの有無が明確になります。
最新のロレックス買取相場解析

現在のロレックス相場の状況とその理由
2025年8月時点のロレックス買取相場は高止まりの状態です。年初に正規店の新品定価が7〜20%引き上げられたにもかかわらず、中古市場ではさらに高値で取引されるモデルが増えています。背景には世界的な需要拡大と供給不足があります。ロレックスは品質維持のため生産数を抑制しており、人気モデルが正規店で手に入りにくいため中古市場に流れる需要が高まっています。
さらに2025年は世界的なインフレと金価格の高騰が続いており、金の価格が2015年の約¥5,000/gから2025年には約¥15,000/gと3倍に上昇したこと、円安基調で海外需要が旺盛なことも相場上昇の要因です。
最新モデル別買取相場の比較
以下の表は主要モデルの新品定価と2025年8月時点の平均買取価格をまとめたものです。
買取価格は国内買取専門店の公開データを参考にし、値動きの大きい商品は幅を持たせています。
| モデル名 | 新品定価(2025年) | 買取相場(2025年8月) | 差額/倍率 |
|---|---|---|---|
| デイトナ 126500LN | ¥2,349,600(税込) | 約¥4,000,000(3,900,000~4,250,000円) | 約+1,650,000円 / 約1.7倍 |
| サブマリーナー 126610LN | ¥1,570,800(税込) | 約¥1,940,000(1,900,000~2,080,000円) | 約+370,000円 / 約1.2倍 |
| サブマリーナー ノンデイト 124060 | ¥1,400,300(税込) | 約¥1,660,000(1,650,000~1,700,000円) | 約+260,000円 / 約1.2倍 |
| GMTマスターⅡ 126710GRNR | ¥1,633,500(税込) | 約¥2,740,000(2,700,000~2,800,000円) | 約+1,100,000円 / 約1.6倍 |
| エクスプローラーI 124270 (36mm) | ¥1,104,400(税込) | 約¥1,100,000(1,070,000~1,120,000円) | ほぼ同等 / 約1.0倍 |
| エクスプローラーI 224270 (40mm) | ¥1,166,000(税込) | 約¥1,250,000(1,230,000~1,260,000円) | 約+90,000円 / 約1.1倍 |
市場で突出しているのはデイトナとGMTマスターⅡで、定価比1.5~1.7倍と大きなプレミアが付いています。一方でエクスプローラーI 36mmはほぼ定価に近い価格で推移しており、資産価値はあるものの転売益は限定的です。
中古ロレックスの市場価格と人気モデル
中古ロレックスの人気は年代・モデルによって変化しますが、2025年現在はスポーツモデルの需要が圧倒的です。デイトナはクロノグラフ機能と伝統のデザインが評価され、前モデル116500LNの流通量が少ないことから現行126500LNに人気が集中しています。
またペプシカラーやグリーンカラーのベゼルを持つGMTマスターⅡはファッション性と実用性を兼ね備え、国内外で高値が付いています。
これに対しドレス系のデイトジャストやオイスターパーペチュアルなどは安定した需要があり、定価の6〜8割程度で買取されることが多いです。中古市場では状態や付属品の有無によって数十万円単位で価格が変動するため、購入・売却時は複数の買取店を比較することが重要です。
ロレックス買取の賢い売却方法
買取価格を高めるためのコツ
ロレックスを高く売るには、事前準備が重要です。以下のポイントを実践すると査定額が上がりやすくなります。
- 正規の箱・保証書・付属品を完備する:購入時の外箱・内箱、保証書、ブレスレットの余りコマ、タグ類が揃っていると査定額がアップします。
- 日常的に丁寧に扱う:ガラスやベゼルの傷・ブレスレットの伸びは減点対象です。日常使用後は柔らかい布で拭き、無理な衝撃や磁気を避けましょう。
- 定期的なオーバーホールを行う:ロレックス公式のオーバーホールはデイトナで88,000円~、サブマリーナーやGMTマスターで77,000円~と高額ですが、純正パーツを使い防水検査を含むため価値維持に有効です。
- 売却時期を見極める:新作発表直後や年末年始は需要が高まり相場が上がる傾向があります。逆に経済不安や円高時は相場が下がりやすいので注意が必要です。
- 複数の専門店で見積もりを取る:買取店によって査定基準が異なるため、相見積もりを取ることで高値を引き出しやすくなります。
査定時の注意点:付属品や状態の確認
査定を受ける前には時計と付属品の状況を整理しましょう。特に保証書(国際保証書)は正規品であることを証明し、購入日やシリアル番号が記載されているため非常に重要です。
保証書を紛失してしまうと数十万円の減額になる場合があります。
またブレスレットの余りコマやベゼルの保護フィルム、購入時のレシートまで揃っているとさらに評価が上がります。
ケースや風防に打痕や深い傷があると査定額が下がるため、使用中は無理な衝撃や水没を避けること、定期的に点検することが大切です。
水や汗によるサビは目に見えない部分で進行することがあるため、2〜5年に一度オーバーホールを実施すると安心です。
買取店舗、専門店の選び方とメリット
ロレックスを売却する際は、時計専門の買取店を選ぶことをおすすめします。ブランドやモデルごとに専門知識を持つ鑑定士がいる店舗では、相場に基づいた適正価格を提示してもらえます。
ブランド品全般を扱うリサイクルショップよりも、ロレックス専門店や高級時計専門店の方が高価査定になりやすい傾向があります。
- 専門店は真贋鑑定に長けているため、偽物リスクを避けたい購入者の信頼も厚く、販売力が高い。
- 店頭買取だけでなく、全国対応の宅配買取や出張買取を提供している店舗もあり、遠方でも利用できる。
- 査定時の明細が丁寧で、どの部分が評価されどこが減点されたか説明してくれる店舗は安心感があります。
- 買取後のアフターサービス(オーバーホールや保証)を付けてくれる場合もあり、次の購入者が安心して買えるため高価買取につながります。
信頼できるかどうかは口コミや会社概要で判断できるほか、古物商許可番号を取得しているか確認することもポイントです。
価格推移と今後の展望

今後のロレックス買取相場の動向予測
今後数年間のロレックス相場は高値圏を維持しつつ、モデルごとに二極化が進むと予想されます。デイトナやGMTマスターⅡなど人気スポーツモデルは生産数が限定的なため、今後も定価超えが続く可能性が高いです。一方でエクスプローラーやデイトジャストなど一般的なモデルは定価近辺に落ち着き、状態や付属品により価格差が出るでしょう。
2025年時点でもロレックスは毎年のように定価改定を行っており、2025年1月には約7〜20%の値上げが発表されました。原材料価格や為替レートの変動、グローバル需要の伸長によって、さらに値上げが行われる可能性もあります。
影響を与える要因と市場背景
ロレックスの買取相場に影響を与える主な要因は次の通りです。
- 為替レート:円安が進むと日本のロレックスは海外投資家にとって割安となり、国内在庫が買い占められる傾向があります。逆に円高になると海外需要が減少し相場が下がりやすくなります。
- 金やステンレスの相場:ロレックスでは金やプラチナ、ステンレススティールなど高級素材が使われており、原材料価格が上昇すると定価も上がります。金価格は過去10年で約3倍に上昇しており、製品価格に影響しています。
- 新作・モデルチェンジ:人気モデルの製造終了や新作発表は旧モデルの価格を左右します。例えばGMTマスターⅡに新色や新ムーブメントが追加された場合、旧モデルにプレミアが付くことがあります。
- 世界的な景気動向:株式市場の動きや富裕層の資産状況により高級時計の需要は変化します。経済不安や金融緩和による資産インフレ局面では安全資産として時計への投資が増えやすく、逆に利上げ局面では資金が株式や債券に戻り相場が落ち着く可能性があります。
こうした複数の要因が複雑に絡み合うため、買取相場は常に変動しており、長期的な視点で検討することが重要です。
ロレックスを資産として考える際の留意点
ロレックスを資産として保有する場合、以下の点に注意してください。
- 短期的な値上がり益を狙うより、長期的な資産形成として考える方が安定します。相場が下落する時期もあるため、生活資金とは別に余裕資金で運用しましょう。
- 保管環境を整えることが価値維持の鍵です。湿気やホコリを避け、定期的にオーバーホールを行って内部の油切れや部品劣化を防ぎます。
- 購入時期と売却時期を見極め、過度な借入や投機的な取引を避けます。新品定価が毎年上がっているとはいえ、需要が急減すると相場が急落するリスクもあります。
- 複数モデルを分散して所有することでリスクヘッジができます。スポーツモデルとクラシックモデルを組み合わせるなど、需要の異なるモデルでポートフォリオを組むのも一手です。
まとめ
ロレックス買取の参考価格と販売のタイミング
2025年現在のロレックス買取相場は、人気モデルと一般モデルの二極化が進んでいます。デイトナやGMTマスターⅡは定価の1.5~1.7倍で買い取られており、希少性が高いほどプレミアムも大きくなります。サブマリーナーは定価比1.2倍前後で比較的安定しており、エクスプローラーI 36mmはほぼ定価並みです。
売却を検討する際は、相場が上昇する時期(新作発表前や年末商戦期)を狙うと利益が最大化しやすく、反対に需要が落ち込む時期には価格が下がる可能性があります。
信頼できる買取業者の選び方
高額なロレックスを売却する場合、どこに依頼するかで数十万円の差が生じます。買取店を選ぶ際は以下の点をチェックしましょう。
- 時計専門の鑑定士が在籍し、ブランドごとの相場に精通しているか。
- 査定結果の内訳を説明してくれる透明性があるか。
- 保証書や付属品の有無で査定額がどれくらい変わるか具体的に提示してくれるか。
- 複数の買取方法(店頭・宅配・出張)を選べるか。
- 古物商許可や業者としての信用情報が公開されているか。
信頼できる業者を選ぶことで適正価格での売却が期待でき、後々のトラブルも回避できます。
買取後の注意点とアフターサービス
売却後は、以下の点を意識するとトラブルを避けられます。
- 売却証明書や領収書を保管する:後に税務処理や保証に関わる場合があるため、必ず保管しましょう。
- 保証期間の確認:公式オーバーホールでは作業後2年間の保証が付くため、売却前にサービスを受けておくと次のオーナーにとって安心材料になり、買取価格が上がることがあります。
- 修理費用の把握:ロレックス正規店の修理費用はモデルにより大きな差があり、例えばデイトナは約66,000円、エクスプローラーIは約47,300円が目安とされています。非正規店では約半額で修理できるものの、保証期間や純正部品の有無に注意が必要です。
- 次の投資計画:売却で得た資金を次のモデル購入や他の資産投資にどう活用するかを考え、長期的な資産形成に役立てましょう。
2025年8月時点ではデイトナやGMTマスターⅡが定価を大きく上回るプレミア相場となっている一方、エクスプローラーIなどは定価に近い水準で安定していることがわかりました。
今後も世界的な需要拡大と原材料価格の高騰が続く限り、高級時計の相場は堅調に推移すると予想されますが、売却の際はモデルごとの状況や市場の変化をよく見極め、信頼できる専門店で査定を受けることが重要です。
