ロレックスが動かない?修理代のリアルを解説!

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ロレックス

高級時計ロレックスが突然動かなくなったら、驚きと不安で頭がいっぱいになりますよね。
修理代はいくら掛かるのか、どこに出せばいいのか心配になるところですが、実は「止まった」といっても原因は様々です。

まずは慌てずに症状を確認し、簡単な対処で直るケースもあります。それでもダメならプロに任せるべきですが、正規店と専門店、依頼先によって費用も対応も違います。

本記事ではロレックスが動かない場合の原因チェックから、修理やオーバーホールの最新料金、依頼先の比較、修理後の価値まで、徹底的に解説します。大切なロレックスを後悔なく修理し、長く愛用するためのポイントが満載です。

目次

ロレックスが動かない!修理代を気にする前に確認したい症状と原因

よくあるロレックスの不具合パターン

ロレックスは堅牢で精度も高い時計ですが、長く使っているといくつか典型的な不具合が現れることがあります。代表的なパターンとして以下のような症状が知られています。

  • 時計が突然止まって動かない
  • 日差(時間のずれ)が大きく狂う
  • 時間は動くが日付が切り替わらない
  • リューズ(巻き芯)が固くて動かせない、または抜けてしまった
  • ガラス内部が曇ったり水滴が見える
  • 時計を振ると異音がする・ローターのぐらつき

これらはロレックスに限らず機械式時計で起こり得る不具合ですが、高精度を誇るロレックスだけに普段と違う異変には気付きやすいでしょう。
「止まる」「遅れる」といった症状はオーバーホール時期のサインの場合もあります。まずは症状を正しく把握し、慌てて高い修理代を払う前に原因を見極めることが大切です。

動かない主な理由と原因のチェック方法

ロレックスが動かなくなる原因にはいくつか考えられます。まず第一に疑うべきはゼンマイの巻き不足です。自動巻きモデルの場合、しばらく着用せず放置するとゼンマイ(主ぜんまい)が解けきって止まってしまいます。
特に普段デスクワーク中心で腕を動かす機会が少ない方や、ローテーションで複数の時計を使っている場合は、単に動力が切れただけのケースが多いです。この場合は手動で十分巻き上げてあげれば再び動き始めます。

次に確認したいのはリューズの位置です。リューズを引き出したまま時間合わせを終えていないと、秒針がハック(停止)したままになります。
ねじ込み式リューズの場合、最後まで押し込んでねじ込まれていないと内部で巻き上げが作動せず、時計が止まることがあります。意外とこの見落としで「故障かも?」と焦る方もいるので、まずリューズが確実に元の位置に戻っているか確認しましょう。

それでも動かない場合は、内部の不具合が考えられます。例えば強い衝撃を受けた直後から止まった場合、テンプや歯車が外れてしまったり、軸が折れて動力が伝わらなくなっている恐れがあります。
また長期間オーバーホールをしていない時計では、油切れや部品摩耗が進行し、摩擦抵抗が大きくなって止まることがあります。この場合、無理に動かそうとすると部品に傷を付けかねません。

さらに、磁気帯びも時計の動作不良の一因です。ロレックスは耐磁性能を一定備えていますが、スピーカーやスマートフォンなど強い磁気の近くに長時間置くとムーブメントが磁化してしまい、極端な進みや遅れを生じます。重度の磁気帯びでは内部で部品が吸着し動きが悪くなるケースもあります。
身に覚えがある場合は磁気抜きが必要かもしれません。

最後に、水入りにも要注意です。防水ロレックスでもパッキン劣化やリューズの閉め忘れで水が侵入すると、内部がサビて動かなくなります。文字盤の曇りや針に水滴が付いていれば水入り確定です。この状態で放置すると深刻な故障に繋がります。

上記のように、ロレックスが止まる原因は「ゼンマイ切れ」のような軽微なものから「部品破損」「水没」のような重篤なものまで様々です。原因に応じた対処が必要になるため、まず自分でチェックできることは確認してみましょう。

自己点検でできる簡単な対処法

ロレックスが動かないからといって、すぐに修理に出す前に自分で試せる対処法があります。以下のポイントを順番に試してみて、症状が改善するか確認しましょう。

ロレックスが動かないときの応急チェック&対処法

  • リューズがきちんと押し込まれ、ねじ込まれているか確認。
  • リューズを回して手動でゼンマイを30~40回ゆっくり巻き上げる。
  • その後、数分間腕に着け日常の動きをして自動巻きローターを稼働させる。
  • スマホやスピーカー付近など磁気の強い場所に置いていなかったか振り返り、必要に応じ時計店で磁気抜きしてもらう。
  • リューズを緩めて引き、風防内の曇りや水滴がないか確認。もし水が入っていればできるだけ早急に専門業者へ。

上記を行っても動かない場合は、無理に振ったり開けたりせずプロに任せましょう。
特に水入りが疑われる場合は内部サビが進行するため、一刻も早く修理依頼する必要があります。逆に言えば、自己点検で症状が改善すれば修理代が掛からずに済むこともあります。「故障かも」と焦る前に、できる範囲で原因を切り分けてみましょう。

注意が必要な症状と故障サイン

簡単な対処で改善しない場合や、次のような明らかに異常な症状が出ているときは注意が必要です。

  • 十分に巻き上げても数分で止まる、動きが不安定になっている
  • 秒針が飛び飛びに動く、あるいは突然速く進み出した
  • 振るとカラカラと内部で部品の外れた音がする
  • リューズ操作時に引っかかりや異常な抵抗を感じる
  • ガラス内側が白く曇る、水滴が付着する

これらは単なるゼンマイ切れでは説明できず、何らかの故障サインと考えられます。例えば、巻き上げ直後に止まるのは主ゼンマイ切断や歯車欠けが疑われます。
秒針の異常な動きはひげゼンマイ絡みや磁気帯びが考えられ、内部パーツ劣化の恐れがあります。振った際の異音はローター外れや緩みかもしれません。
リューズ操作の異常は巻き芯折れや歯車破損の可能性があります。水滴があるのは言うまでもなく浸水です。このような症状を確認したら、それ以上時計を動かさず速やかに修理に出すのが鉄則です。
無理に動かし続けると部品同士が干渉し合い、被害が拡大して修理代も高騰してしまいます。大切なロレックスをこれ以上傷めないためにも、プロの診断を仰ぎましょう。

ロレックスが動かない時、修理は必要?

修理が必要なケースと放置のデメリット

ロレックスが動かない場合でも、必ずしも高額な修理が必要とは限りません。
前章までで触れたように、単なる巻き不足やリューズの戻し忘れであれば修理の必要はなく、自分で対処できます。
しかし、オーバーホール時期を過ぎた古い油切れの状態や明確な部品故障がある場合は、やはり専門的な修理が必要です。

修理が必要なケースとしては、ゼンマイ切れ・歯車の破損・テンプ不良など内部パーツの損傷が疑われる場合、水入りや落下による重大なダメージがある場合、そして5年以上オーバーホールをしておらず時計が明らかに不調な場合が挙げられます。こうしたケースでは専門知識がないまま使い続けると、時計内部の状態はさらに悪化します。

一方で「とりあえず動かないまま保管しておこう…」と修理を先延ばしにするのもお勧めできません。不具合を放置するデメリットとして、まず挙げられるのが症状の悪化です。
例えば油切れで遅れが出ている程度なら、早めのオーバーホールで油をさせば済みます。しかし放置して摩耗が進行すると、本来交換不要だった歯車や軸まで磨り減り、交換が必要になってしまいます。
また水入りを放置すればサビが広がり、ムーブメント全損にも繋がりかねません。

さらに、止まったまま長期間放置するとリューズや歯車が固着して動かなくなることもあります。結果、より大掛かりな修理が必要になり、費用も時間もかさんでしまいます。また将来的に売却を検討している場合、故障状態のままでは査定額が大きく下がるか、最悪買い取ってもらえない可能性もあります。

以上のように、「修理が必要なケース」ではできるだけ早めに対処するのが肝心です。
軽症のうちに直せば費用も最小限で済みますし、時計本来の性能を取り戻すことで安心して使い続けることができます。逆に放置すればするほど状態は悪化し、最終的には後悔する結果になりかねません。

ロレックス修理依頼先の種類(正規店・専門店・民間)

実際にロレックスの修理やオーバーホールが必要となった場合、どこに依頼すれば良いでしょうか。大きく分けて以下の3つの選択肢があります。

  • 正規店(日本ロレックス公式サービス)
  • 時計修理専門店(民間の修理業者)
  • 一般の民間業者(家電量販店の時計修理窓口など)

それぞれ特徴が異なります。正規店とは日本ロレックスが運営するサービスセンターや正規販売店経由のメーカー修理受付のことです。メーカー訓練を受けた技師が純正部品のみを使ってメンテナンスしてくれます。品質と安心感では最有力ですが、その分費用は高額です。

時計修理専門店とは、ロレックスを含む高級時計の修理に精通した民間の工房や業者です。街の時計店や専門業者で、ロレックスのオーバーホール実績が豊富なところも多くあります。正規に比べ費用が抑えられ、納期も早めな傾向ですが、お店ごとに技術力や対応は異なります。

一般の民間業者には、家電量販店やデパートの修理受付カウンターなどが該当します。これらは自社で修理するのではなく、提携する外部の修理会社や場合によってはメーカーに送付して対応します。身近で依頼しやすい反面、実際に誰が修理するのか見えにくい面もあります。

要するに、「メーカー公式」か「独立系のプロ」か「窓口サービス経由」かという違いです。それぞれの詳しいメリット・デメリットについては後述の比較セクションで解説しますが、自分の重視するポイント(安心感・価格・速さ・利便性など)に合わせて適切な依頼先を選ぶことが重要です。

修理とオーバーホールの違いと選び方

ロレックスが故障した際によく迷うのが、「修理」と「オーバーホール(分解掃除)」をどう使い分けるかです。一般に、「修理」とは壊れた部分を直すことで、「オーバーホール(OH)」とは時計を分解して内部を洗浄・注油し、劣化部品を交換する定期メンテナンスを指します。

たとえばガラスが割れた、リューズが取れたといった明確な故障箇所がある場合、それ自体の交換修理が必要です。
しかしロレックス正規サービスでは、単体の部品交換であっても基本的にオーバーホールと同時に行う方針をとっています。これは部分的に直すだけでは他の箇所の不具合を見逃す可能性があり、結果的に時計本来の性能を保障できないためです。
メーカーとしては一度お預かりした時計は全体を点検し、リフレッシュした状態で返すことを重視しています。

一方、独立系の修理専門店では状況に応じて柔軟に対応してくれることがあります。例えば「2年前にOHしたばかりだが、うっかりガラスだけ割ってしまった」という場合、正規では再度OH必須ですが、専門店ならガラス交換と必要最低限の点検だけで済ませ、費用を抑える提案をしてくれるかもしれません。

もちろん、時計内部の劣化が進んでいる場合は部分修理だけでは根本解決になりません。選び方のポイントとして、「最後のOHから5年以上経過している」「複数箇所に不調がある」のであればオーバーホール一択です。一方「最近OHしたばかりで他は良好」「明確な原因箇所がある」場合には、部分修理で済ませる選択肢もあります。
ただし部分修理を受け付けてくれるのは主に専門店であり、正規では原則フルOHになる点は覚えておきましょう。

要は、ロレックス正規サービス = トータルメンテナンス専門店 = ケースバイケースで対応という違いです。時計の状態や予算に応じて、適切な方を選ぶと良いでしょう。迷った場合は見積もり時に「この故障だけ直したいが可能か?」と相談してみるのも一手です。

日本ロレックスの対応と保証内容

日本ロレックス(正規サービス)に修理やOHを依頼した場合の対応や保証について説明します。正規サービスでは、専門トレーニングを受けた技術者がスイス本社と同じ基準で作業を行います。純正部品のみを使用し、防水テストや精度検査もメーカー規定通りに実施されます。

修理完了後、2年間の修理保証が付与されます。これは「日本ロレックス保証書」という形で発行され、修理内容や日付が記載されています。この保証期間内に同じ箇所の不具合が再発した場合は、無償で再修理してもらえます(ただし使用者の過失による故障や外装の傷などは対象外)。

新品購入時のメーカー保証(現在は5年間)も含め、保証期間内であれば基本的に無償修理となります。ただし、メーカー保証が適用されるのは製造上の欠陥や不具合に限られます。
例えば防水仕様のモデルで適正に使用していたのに浸水した、通常使用でムーブメントに不具合が生じた等は無料修理対象です。一方で落下や衝撃、水没(リューズの閉め忘れ等)、改造品などユーザー起因の故障は保証対象外となります。

また、日本ロレックスでは修理受付時に時計を詳細にチェックし、万一社外品パーツが使われていると純正品への交換が必要と判断されます。非純正の部品(例えばサードパーティー製の風防やリューズ)が付いている時計は、純正部品に戻さないと修理を受け付けてもらえません。正規の品質維持のためのルールであり、そうした追加交換も含めた見積もりが提示されます。

なお正規サービスセンターへの依頼方法ですが、直接サービスセンター(東京・大阪・神戸)に送付するか、全国のロレックス正規販売店の窓口から依頼できます。
遠方の場合は電話連絡すると無料の専用梱包キットを送ってもらえますので、それを使って郵送依頼することも可能です。こうした細かなサービスも正規ならではと言えるでしょう。

総じて、日本ロレックスで修理するメリットは「確実な品質と長期保証」、デメリットは「高額な費用と時間」です。費用と時間が許容でき、時計を万全に直したいなら間違いのない選択肢と言えます。

【最新版】ロレックス『修理代・オーバーホール料金』相場と実態

日本ロレックス正規料金表のチェックポイント

ここからは具体的な費用面を見ていきましょう。まず、日本ロレックス(メーカー正規)のオーバーホール基本料金について最新情報を確認します。ロレックス正規店ではモデルごとにOH基本料金(技術料)が設定されており、定期的に価格改定されています。

2025年現在の正規オーバーホール料金は、大まかに言うと約6万円~11万円の範囲です。最もシンプルな3針モデル(ステンレス製・ノンデイト等)で6万円台前後、複雑なモデルや貴金属モデルになるほど高額になり、クロノグラフやデイデイトで9万円前後、年間カレンダー機構を持つスカイドゥエラーでは11万円超という設定です。

この料金はあくまで基本の技術料であり、実際の見積もりではここに交換が必要な部品代が加算されます。正規料金表を見るときのチェックポイントとして、「○○円~」「〜からの価格」になっている点に注意しましょう。
例えば「デイトナ 8万8000円~」というのは、部品交換なしの場合の最低金額であり、交換部品があれば最終的に10万円超えも十分あり得ます。

また、料金表にはケース研磨(ポリッシュ)など外装仕上げ費用も含まれています。ロレックス正規OHでは基本的にケース・ブレスレットの研磨仕上げがセットになっており、新品に近い輝きを取り戻せるのもポイントです(キズを残したい場合は依頼時に研磨不要と伝えることも可能です)。

正規店の価格は近年上昇傾向にありますが、その分2年保証や純正品質の維持などメリットも大きいです。次の項目でモデル別の具体的な料金目安を見てみましょう。

モデル別の修理・オーバーホール費用目安

ロレックスのモデルごとに、正規店と専門店でどの程度の費用差があるのかを一覧で整理します。主要モデルを中心に、オーバーホール基本料金の目安を比較してみましょう。

モデル 正規OH料金 (2025年) 専門店OH料金 (概算)
コスモグラフ デイトナ 約88,000円~ 約44,000円~
サブマリーナー(デイト含む) 約77,000円~ 約25,000円~
GMTマスターⅡ 約77,000円~ 約25,000円~
エクスプローラーⅠ 約77,000円~ 約24,000円~
デイトジャスト 約71,500円~ 約25,000円~
オイスター パーペチュアル 約60,500円~ 約24,000円~
デイデイト(おすすめモデル) 約88,000円~ 約35,000円~

※上記は基本OH料金の目安。実際の見積もりでは部品交換や消費税を含めさらに費用が掛かる場合があります。

ご覧のように、正規料金はモデルによって多少差がありますが、全体的に専門店(民間修理業者)の料金は正規の半額程度になっています。例えばサブマリーナーGMTマスターⅡは正規で約7.7万円~に対し、専門店なら2万数千円~というケースが多いです。
デイトナのようなクロノグラフは正規約8.8万円~と高めですが、専門店では4万円台~が一般的です。オイスター パーペチュアルのようなエントリーモデルは正規でも6万円程ですが、専門店なら2万円台半ばから受け付けているところもあります。

このように費用面だけ見ると専門店が圧倒的に安く魅力的ですが、後述するように保証期間や純正部品使用など他の要素も考慮する必要があります。とはいえ、ロレックスの維持費相場を把握する上で専門店の存在は見逃せません。
「ロレックスのOH=数十万円」は誤解で、実際には5~10万円程度が相場であり、依頼先によってはさらにコストダウン可能ということです。

パーツ交換・ガラス交換・研磨等の追加料金

オーバーホール基本料金以外に、部品交換や外装処理に関する追加費用についても知っておきましょう。ロレックス正規サービスでは、以下のようなケースで別途料金が加算されます。

主な交換・作業項目 追加費用目安 (正規サービス)
風防ガラス交換 約20,000円 (+OH基本料)
リューズ交換 約10,000円 (+OH基本料)
外装研磨仕上げ OH基本料に含む (専門店では別途¥10,000前後)
ブレスレット交換 ステンレス製 約200,000円
コマ(リンク)追加 ステンレス製 1個 約10,000円
文字盤交換 約50,000円 (+OH基本料)
※元の文字盤返却には追加費用

例えば、風防(ガラス)が割れていた場合、その交換自体は2万円程度ですが、基本的にOHとセットになるため合計では10万円超になる可能性があります。リューズ交換も同様でパーツ代1万円前後ですがOH込みで見積もられます。
ブレスレット交換は非常に高額で、ステンレスのオイスターブレスでも20万円前後します(コンビや金無垢ならさらに高額)。ただしブレスは全交換しなくとも、痛んだコマのピン打ち直しなど部分的な修理で済む場合も多いです。

外装の研磨(ポリッシュ)は先述の通り正規OH基本料に含まれていますが、独立系の専門店ではオプション扱いで別途1~2万円程度かかる場合があります。
研磨するかどうか選べるのは専門店の利点でもあります(「ケースのエッジを残したい」「あえて傷をそのままにしたい」等の要望に応じてくれます)。

また文字盤交換については少し特殊で、メーカー保証期間内は仕様変更目的の交換が不可(同一デザインへの交換のみ可)といったルールがあります。
文字盤交換を希望する場合、費用は5万円前後ですが交換後に元の文字盤を返却してもらうには交換費用の40%を追加負担する必要があります。これは転売対策としてロレックスが定めているものです。

以上のように、交換部品や追加作業にはそれぞれ費用が発生します。見積もりでは「OH基本料 + 部品代 + 消費税」が合計される形となりますので、「基本料=総額」ではない点に注意しましょう。
特に故障箇所がある場合は部品代込みで考えておく必要があります。

ロレックス修理費用の値上げ最新事情

近年、ロレックスの修理費用(オーバーホール料金)は値上げ傾向にあります。実はメーカー公式のOH料金は2019年頃から段階的に改定されており、2023年3月には日本全国で一斉に大幅な値上げが行われました。
この時は正式なアナウンスこそありませんでしたが、SSモデルの基本OH料金が一律1~2万円ほど引き上げられ、結果として平均で20~30%近い値上がりとなりました。

例えば数年前までオイスター パーペチュアルのOHは4~5万円台だったものが、現在では6万円強に、サブマリーナー等スポーツモデルは5万円台後半から7万円台後半に上がりました。デイトナも6万円台半ばから8万円台後半へと上昇しています。これは世界的な物価・人件費上昇や、ロレックス本体の価格高騰に伴うものと考えられます。

※質屋かんてい局の調査によれば「数年前まで正規OHは約45,000円程度だった」との声もあり、それと比べると現行はほぼ倍額になっています。

一方で、独立系の修理専門店の価格も全く据え置きというわけではなく、部品代等のコスト増から多少値上がりする傾向はあります。しかし正規の値上げ幅が大きかったため、現在では正規:専門店の費用差は従来以上に開いているとも言えます。
つまり、「正規は高くなりすぎたから、今後は専門店に出そう」というユーザーも増えている状況です。

またロレックスの新品定価自体も2019年以降年に1~2回のペースで上昇しています。2025年1月にも主要モデルで5~10%以上の値上げがありました。時計本体の価格が上がると、中古市場相場やそれに伴うメンテナンス費用も値上がりしやすくなります。
特に希少モデルの部品は入手困難さから修理代が高騰するケースも考えられます。

まとめると、ロレックスの修理代は数年前に比べかなり上がっているのが最新事情です。今後も大きな改定がないとは限りませんので、「調子が悪いけどあと一年放置」は逆に損につながる可能性もあります。必要なメンテナンスは早めに行い、愛機のコンディションを整えておきましょう。

見積もり依頼時の注意点と無料点検サービス

ロレックスの修理やOHを依頼する際、まずは見積もりを取るのが一般的です。日本ロレックス正規サービスでも時計を送るか店頭に預ければ、後日正式な見積額が提示されます。見積もり自体に料金はかかりません(キャンセルした場合でも基本無料で時計が返却されます)。専門店でも多くは無料見積もりを行っており、実物を見た上で正確な費用を教えてくれます。

見積もりを依頼する際の注意点として、自分が把握している不具合や依頼内容はできるだけ詳細に伝えることが挙げられます。「突然止まった」「一度落としている」「前回OHから7年経過」等の情報は技術者が症状を絞り込むのに役立ちます。
また以前に非正規部品へ交換した箇所がある場合(風防だけ社外品に替えた等)は申告しておいた方が良いでしょう。正規ならどのみち純正交換になりますし、専門店でも対応方針が変わる可能性があります。

見積もりをもらったら、作業内容と費用の内訳、納期、保証内容をしっかり確認しましょう。不明点があれば遠慮なく質問することが大切です。「この部品交換は必須なのか」「研磨は含まれているか」「納期はどのくらいか」など、納得できるまで確認しましょう。
特に正規の場合、見積もり段階でかなり細かく交換部品が記載されます。「針一式交換」等も含まれていることがあるので、交換したくないパーツがある場合は事前相談も可能です。

なお、ロレックス正規では「見積もり無料」「キャンセル自由」とはいえ、極端に言えばバラして組み直す手間をかけて見積もっているわけですから、あまり安易に何度もキャンセルするのは避けたいところです。
独立店でも同様で、見積もりだけ取って断るのは問題ありませんが、その店に今後依頼する可能性があるなら誠実に対応したいものです。

また「無料点検サービス」というものに触れておくと、一部の時計宝飾店や買取店ではロレックスの精度チェックや防水検査を無料で行ってくれるサービスがあります。例えば店頭イベントで簡易的なタイミングマシン測定や、真空式の防水テストを無料提供していることもあります。そうした機会を利用すると、自分のロレックスのコンディションを把握でき、修理が必要かどうかの判断材料になります。

しかし、たとえ無料点検で「防水性が落ちています」と言われても、その場で分解修理までは当然できません。あくまで目安として受け止め、必要であれば正式なOHに進むと良いでしょう。無料点検や見積もりは上手に活用しつつ、実際の修理依頼時には信頼できる業者に絞って任せることが大切です。

どこに頼む?ロレックス修理業者3パターン徹底比較

正規店 vs 専門店 vs 民間業者のメリット・デメリット

ここでは改めて、ロレックスの修理依頼先3種「正規店・専門店・民間業者」それぞれのメリットとデメリットを比較表で整理します。

依頼先 メリット デメリット
正規店
(日本ロレックス)
・純正部品のみ使用しメーカー基準で完璧に修理される
・高度な技術と2年間の長期保証が付く安心感
・ブランド価値が維持され、次回以降も正規サービスを受けやすい
・費用が高額(専門店の2~3倍以上)
・納期が長め(1~2ヶ月以上かかる)
・基本的にオーバーホール一式対応となり柔軟性に欠ける
専門店
(時計修理業者)
・正規の約半額~7割程度と費用が抑えられる
・納期も比較的短い(3~4週間程度)
・技術者と直接相談でき、要望に応じた柔軟な対応が可能
・店舗によって技術力や品質に差がある
・保証期間が6ヶ月~1年程度と短め
・純正部品入手が難しい場合は代替対応となるリスク
民間業者
(量販店・代理窓口)
・全国チェーンの店舗網で持ち込みしやすい
・買い物のついでなど手軽に依頼できる
・正規店より安く済むケースが多い(提携先次第)
・実際の修理作業は提携工房任せで状況が見えにくい
・店舗スタッフが時計専門ではない場合がある
・間接的な依頼となるため納期が長引くこともある

それぞれ一長一短があることがお分かりいただけるでしょう。絶対的な安心感を求めるなら正規店ですが、費用対効果では専門店が魅力です。また利便性では全国対応の量販店窓口も侮れません。大切なのは自分の重視ポイントに合致した業者を選ぶことです。次項では、どのような基準で修理店を選ぶと良いか、具体的に見ていきます。

技術力・実績・安心感から選ぶおすすめ修理店

専門店や民間業者に依頼する場合、「どこに出すか」が腕時計の運命を左右すると言っても過言ではありません。信頼できる修理店を選ぶためのポイントを整理しましょう。

  • 技術力:ロレックスの修理実績が豊富かどうか、在籍する技術者の資格・経歴をチェックしましょう。例えば国家資格である「時計修理技能士」の有資格者や、元・日本ロレックスのサービス技師が在籍している店は信頼度が高いです。
  • 実績:創業年数が長い、年間の修理本数が多いといった実績は一つの指標です。中には「年間3万本以上の修理を手掛ける」と謳う大手工房もあります。実績豊富な店ほどノウハウが蓄積されており、様々なモデル・症状にも対応できる傾向があります。
  • 品質保証:保証期間の長さや内容も要確認です。正規以外では6ヶ月~1年保証が一般的ですが、中には2年間保証を付ける専門店もあります。また「修理後の不具合は無償対応」「オーバーホール後の定期点検サービスあり」といったアフターケア体制がしっかりしている店だと安心です。
  • 純正部品の使用:ロレックスの場合、純正部品の入手は限られますが「可能な限り純正パーツで対応」という方針の店だと安心感があります。一部の老舗専門店は独自ルートで純正部品を確保していることもあります。
  • コミュニケーション:見積もりの説明が丁寧か、こちらの要望を親身に聞いてくれるか、といった点も大事です。メールや電話での問い合わせ対応がスムーズな店だと、遠方からの依頼でも安心できます。

上記を踏まえ、「技術力・実績・安心感」のバランスが良い修理店を選びましょう。例えば元ロレックス公認技師が在籍する老舗専門店や、大手時計店系列の修理工房などは候補として有力です。迷った場合は、ネット上の評判や口コミも参考になります。「デイトナをここに出したら快調になった」「古いエクスプローラーも直せた」等の事例が見つかれば心強いですね。

最終的には、正規店も含め複数の業者で見積もりを取り比較検討するのが理想です。その過程で各店の対応を知ることもできます。大切なロレックスですから、焦らずじっくり納得のいく修理先を選ぶようにしましょう。

純正パーツ・品質保証の違い

正規店と専門店でよく話題に上るのが、「純正部品」と「品質保証」の扱いの違いです。まず純正部品に関して、正規店では100%純正部品を使用します。
ロレックス公式以外のパーツ(社外部品)は一切使われず、仮に時計に社外品が付いていれば純正品に交換されます。これは前述の通り、非純正パーツが混入するとメーカー保証が効かなくなるためでもあります。

一方、専門店では状況によって純正品以外を使用するケースもゼロではありません。ロレックス社は基本的に部品供給を制限していますので、新しいモデルの部品は独立店では入手できません。そのため、どうしても純正が手に入らない場合や費用を抑えたい場合に、品質の良い互換品や中古部品で対応することがあります。
ただし優良な専門店ほど「可能な限り純正を使用し、どうしても無理な場合のみ相談の上で代替品」というスタンスです。勝手に粗悪なパーツを使われる心配は、信頼できる店であれば低いでしょう。

品質保証については、正規店は2年保証専門店は半年~1年保証が一般的です。
保証期間の長さだけでなく、保証の範囲や条件にも違いがあります。正規店の保証は「自然故障に対する再修理保証」であり、基本的にユーザー起因の故障(落下・水入り等)は対象外です。これは専門店の保証も同様ですが、専門店によっては「オーバーホール後○ヶ月以内の精度不良は無料調整」といったサービスを付ける所もあります。

また正規店の修理証明書(保証書)は、ロレックスの資産価値を高める意味でも強力です。後述しますが、正規OH済みであることが将来の査定で好材料になる場合があります。一方、専門店の領収書や明細も修理履歴の証明にはなりますが、ブランド的な価値付与という点では正規ほどではありません。

以上まとめると、「確実に純正部品で直したい・長めの保証が欲しいなら正規」、「多少柔軟でも費用を抑えたいなら専門店」と言えます。ただし専門店でも優良店であれば純正同等の品質で仕上げてくれる場合も多々あります。
要はお店選び次第で専門店でも高品質な修理が受けられるということです。純正部品へのこだわりが強い方は事前に相談し、その店がどう対応してくれるか確認すると良いでしょう。

修理実例でみる店舗ごとの対応力・期間

実際のエピソードを交えて、正規店・専門店・民間業者それぞれの対応の違いや修理期間についてイメージしてみましょう。

【正規店の例】都内在住のAさんは、愛用するサブマリーナー(購入後7年、OH未実施)が突然止まったため日本ロレックスに修理を依頼しました。結果、見積もり金額は約9万円(OH基本料約7.7万円+消耗部品交換)で、納期は約6週間とのこと。
Aさんは費用は痛かったものの、戻ってきた時計は新品同様にピカピカになり精度も復活。2年間の保証も得られて満足しています。
このケースでは「費用と時間はかかったが品質は確実」という正規利用の典型例と言えます。

【専門店の例】一方、大阪在住のBさんはコスモグラフ デイトナ(10年前購入、数年前に一度OH済)が遅れ始めたため、近所の独立系修理工房に相談しました。見積もりは約5万円(OH一式+パッキン交換など)で、納期は3週間ほど。Bさんは正規の半額近い価格に驚きつつ依頼し、無事精度が改善。保証期間は6ヶ月でしたが、「次もここにお願いしたい」と感じる丁寧な対応だったそうです。
この例では専門店利用により「費用半分・納期半分」で済んだわけです。

【民間窓口の例】地方在住のCさんは、最寄りの家電量販店に壊れたロレックス エクスプローラーⅠを持ち込みました。店頭では時計売り場のスタッフが受付し、実際の修理は提携する時計修理会社が行うとのこと。費用は約6万円(OH基本料+交換部品代)で、納期は約5週間との案内でした。
仕上がりは問題なく、Cさんは「近場で出せて便利だった」と感じています。ただ、実際にどこで修理されたのか詳細は知らされず終いだったとのことです。このケースは「依頼の手軽さと仕上がりには満足だが、過程の透明性は薄い」という民間窓口の典型例でしょう。

他にも、ヴィンテージ・ロレックスの対応でも差が出ます。例えば1960年代製のアンティーク・サブマリーナーを持つDさんは、正規店で「部品供給終了のため修理不可」と断られました。
しかし古いロレックスに強い専門店を探し出し依頼したところ、部品を他機種から流用・製作するなどして修理完了。時間はかかったものの無事動くようになりました。このように古いモデルでは専門店の方が柔軟に対応してくれる場面もあります。

期間に関してまとめると、正規店は平均4~8週間程度、専門店は3~6週間程度が一つの目安です。ただし部品取り寄せが必要な場合や繁忙期にはさらに延びる可能性もあります。
民間窓口の場合、結局作業自体は専門店に出すケースも多く、その分中継日数が加わるため専門店直接より1~2週間余計にかかる印象です。いずれにせよ、ロレックスの本格的なOHは即日完了するものではなく、ある程度の期間預ける必要がある点は共通しています。

修理後の買取・査定価格はどう変わる?

ロレックス修理歴が査定額に与える影響

大切なロレックスを修理・オーバーホールした後、気になるのは将来的な買取査定への影響でしょう。修理歴(OH歴)があること自体は、多くの場合プラス材料になります。定期的にメンテナンスされた時計は内部コンディションが良好である可能性が高く、買取業者や購入検討者に安心感を与えるためです。
特に日本ロレックスのサービス保証書が付属していれば、「メーカーで直したお墨付き」ということで信頼度が上がります。

ただし、修理やOHに掛けた費用がそのまま査定額に上乗せされるかというと、実際はそうでもありません。例えば10万円かけてOHしたからといって中古価格が10万円高くなるわけではなく、せいぜい1~2万円程度プラス評価されるにとどまることが多いです。
なぜなら、買取店側は自社で安価に整備できるルートを持っているため、個人が高額を払ってOHしていてもコスト回収できないケースがほとんどだからです。

特筆すべきは「交換部品履歴」がある場合です。たとえば文字盤や針が新品交換されていると、現行モデルなら問題ありませんが、ヴィンテージモデルではオリジナル性が損なわれ査定が下がることがあります。古いロレックスほど「オリジナルのまま」が好まれるため、過去の修理で部品交換が行われているとマイナスとなる場合もあります(特に文字盤の書体や夜光塗料の風合いなど)。

また、「磨きすぎ」も一部では敬遠されます。ケースやブレスがピカピカになりすぎてエッジが丸くなっていると、本来のシャープな形状が損なわれているとしてコレクターから減点対象になることがあります。
正規OHでは比較的丁寧に研磨してくれますが、それでも重ね重ねの研磨で金属が痩せてしまうことは避けられません。

とはいえ、一般的にはOH済み=きちんとメンテされていると評価されますので、ロレックスの資産価値維持のためにも適切な時期でのOHは推奨されます。ただし「売る前提で慌てて高額OHする必要はない」点も覚えておきましょう。その理由は次項で説明します。

動かないロレックスは買取可能?必要な条件

では、完全に動かないロレックスはそもそも買取してもらえるのでしょうか。結論から言えば買取可能なケースがほとんどです。ロレックスというブランドは極めてリセールバリューが高く、市場が確立しています。
たとえ現状動かなくても、修理すれば再販できる可能性が高いため、買取業者はジャンク品としてでも価値を見出します。

もちろん買取額は動作品に比べて低くなります。業者は買取後に自社で修理するコストを差し引いて査定しますので、その分安くなるのです。
例えば、正常品なら100万円で買い取るモデルでも、止まっている場合は修理代見込み10万円を差し引いて90万円…とは必ずしも単純計算にはなりませんが、概ねそのような考え方です。むしろ先述のように個人で高額修理するより、そのまま出した方がトータル得になる場合も多いです。

ただし買取可能な条件として、真贋がはっきりしていることが大前提です。極端に部品が欠損していたり、シリアルが判別不能なほどケースが損傷している場合は査定不能となることもあります。
また改造品(社外パーツだらけのもの)も買取不可または大幅減額となります。ロレックスの場合、全損レベルでバラバラでもない限り「パーツ取り用」として価値が残るケースが多いですが、買取店によって扱いは異なります。

動かないロレックスを少しでも高く売るコツは、「現状の情報をなるべく伝えること」です。「○年前に止まってそのまま」「水に落として動かなくなった」など、正直に伝えれば業者も想定範囲内の故障として査定できます。
逆に隠して持ち込んでも、プロが見れば不調は明白ですし、後から判明してトラブルになることもあります。誠実に情報提供する方が結果的に良い取引に繋がるでしょう。

まとめると、動かないロレックスも買取自体は問題なく可能ですが、査定額は動作品より下がるのが基本です。それでも「直してから売る」より「そのまま売る」方が手取りは多いケースが大半なので、手間やリスクを考えれば現状売却も十分選択肢に入ります。

専門店・正規店での修理証明書がもたらす安心感

最後に、修理後に発行される「修理証明書」や「明細書」がもたらす効果について触れておきます。日本ロレックス正規サービスでOHや修理を行うと、前述のように2年間有効の保証書(国際サービス保証書)が発行されます。これは単に保証が付くというだけでなく、「メーカーでメンテナンス済み」という公式の証明になります。

中古市場において、この正規修理証明はバイヤーにとって大きな安心材料です。特に個人売買などでは「直近でメーカーOH済み」という文言があるだけで、購入希望者の印象は良くなります。また保証書の有効期間が残っていれば、購入後に何かあっても無償対応が受けられるので、買う側も安心してお金を出せるでしょう。

一方、専門店に依頼した場合でも、多くは修理明細書や領収書が発行されます。そこに修理日や内容、店名(社名)が記載されています。これも修理履歴の裏付けになりますので、無いよりあった方が良いです。
「〇〇専門店でOH済」と明示できれば、時計好きの間で評判の良い店であればプラス査定につながることもあります。ただ、正規の保証書ほど広く通用するものではないため、あくまで補足的な安心感という位置付けです。

重要なのは、修理証明書類は大切に保管しておくことです。将来売るにせよ使い続けるにせよ、自分の時計がいつ何をしたか記録を残しておくのはメリットしかありません。特にロレックスのように資産価値が意識される時計では、メンテ履歴が明確な個体ほど評価が高まる傾向にあります。

ちなみに新品購入時の保証カードも含め、こうした書類一式が揃っていることを「フルセット」と呼び、買取価格に差が出ることもあります。箱・保証書・説明書・修理証明書といった付属品は、時計本体以上に大事に扱いましょう。ロレックスは「保証や証明までも価値の一部」と言えるかもしれません。

よくある質問と修理時の注意点Q&A

保証期間内で修理は無料?条件や範囲

Q. ロレックスの保証期間内(新品購入から5年以内や、正規OH後2年以内)であれば、修理費用は無料になるのでしょうか?またその条件や範囲は?
A. はい、基本的にはメーカー保証期間内の不具合は無料修理対象です。ただし「自然故障」に限られる点に注意しましょう。新品購入時の国際保証は5年間有効で、この間に生じた機械内部の不具合(製造上の欠陥)であれば無償で修理されます。一方で落下・衝撃、水漏れ(ユーザーの管理ミス)、第三者による改造など、ユーザー起因の故障は保証対象外です。例えば、防水モデルであってもリューズの締め忘れによる浸水は有償対応になります。

日本ロレックスでオーバーホールや修理を受けた場合にも、受取日から2年間のサービス保証が付きます。この保証も新品保証と同様の条件で、再発した内部不具合の無償対応が約束されます。ただし、こちらもユーザーの過失による故障(例:OH後に落としてガラス破損など)は対象外です。
また、保証期間内でも他店で分解された形跡があると保証無効となる場合があります。

まとめると、保証期間内なら基本無料ですが、「保証されるのは製品や修理の品質に起因するトラブルのみ」という点を理解しておきましょう。なお、メーカー保証を受けるには正規販売店の保証カード提示が必要です。紛失すると対応してもらえないため、カードは大切に保管してください。

修理にかかる期間は?部品の在庫・納期について

Q. ロレックスの修理やオーバーホールにはどれくらいの時間がかかりますか?部品の在庫状況によって納期は変わりますか?
A. ロレックスの本格的なオーバーホールは、通常4~6週間程度は見ておく必要があります。日本ロレックス正規サービスの場合、受付から見積もり提示まで1~2週間、了承後実作業と最終テストに3~4週間ほど要するのが一般的です。繁忙期や特殊モデルだと2ヶ月以上かかるケースもあります。

独立系の修理専門店では、平均3~5週間前後の納期が多い印象です。正規に比べてやや早いですが、こちらも部品取り寄せが発生すると長引きます。特に最近のモデルや限定モデルの部品は入手が難しく、場合によって海外から取り寄せることもあります。その場合、数週間~数ヶ月追加でかかることもあり得ます。

部品在庫について言えば、正規サービスはロレックス本社のパーツ在庫にアクセスできるため、大抵の部品は確保できます。ただし生産終了後かなり年数が経った部品は在庫切れのこともあります。その際は修理自体が不可となる場合もあります。

一方、専門店の場合はロレックスが部品供給を制限しているため、新しい純正部品は手に入りません。しかし中古部品をストックしていたり、互換性のあるパーツで対応するノウハウを持つ店もあります。古いモデルほど独立店の工夫が活きる場面です。

いずれにしても、見積もり時に「大体どのくらいかかりそうか」確認しておきましょう。急ぎの場合はその旨伝えれば、可能な範囲で優先対応してくれるかもしれません(正規は難しいですが、専門店なら調整可の場合も)。大事なのは、無理な納期を期待しないことです。
高級時計の整備には然るべき時間がかかるものなので、愛機が戻ってくるまで気長に待つ心構えも必要です。

防水性・精度の維持はどうする?プロのチェックポイント

Q. ロレックスの防水性能や精度を保つには、どんな点に気を付ければ良いでしょうか?プロの視点で教えてください。
A. ロレックスの防水性精度を長く維持するには、日常での取り扱いと定期メンテナンスの両面からケアすることが大切です。

まず防水性については、パッキン(シール)の劣化が避けられないため、数年ごとに交換する必要があります。これはオーバーホール時に必ず新しいパッキンに交換されますので、OHを定期的に行っていれば概ね安心です。
ただしそれ以外でも、年1回程度は防水検査を受けることをおすすめします。特にサブマリーナーなどダイバーズウォッチを本格的に水中で使う場合、パッキンの劣化やケースの歪みがないか定期チェックすると良いでしょう。

日常使用では、リューズやプッシュボタンを水中や濡れた状態で操作しないことは鉄則です。お風呂やサウナの高温環境も、防水パッキンに負担をかけるので避けましょう。
急激な温度変化も時計内部に結露を生む場合があるので注意です。防水モデルでも定期検査を怠れば性能は低下しますから、「ロレックスだからずっと大丈夫」と過信せず、気になる場合はプロに相談してください。

次に精度維持についてです。ロレックスはクロノメーター規格の精度を誇りますが、やはり油切れや部品摩耗が進むと日差が大きく狂ってきます。これもOHでリセットできますので、5年おき程度にOHする習慣が望ましいです。
さらに気を付けたいのは磁気です。テレビやスマホスピーカー、バッグの留め具など磁石は身近に溢れています。磁気帯びするとロレックスでも大幅に進む・遅れるといった異常が出ますので、時計を磁気源の近くに長時間置かないようにしましょう。

また衝撃も大敵です。最近のロレックスは耐震装置がしっかりしていますが、それでも強い衝撃はテンプの軸受けにダメージを与えたり、歯車の噛み合わせを狂わせる恐れがあります。
スポーツ中や作業中など、激しい動きの際は外しておくのが無難です。落下は論外ですが、知らぬ間の打撃にも気を付けたいところです。

プロのチェックポイントとしては、「防水検査」「タイミングマシンによる精度測定」が挙げられます。防水検査では専用機器で所定の気圧をかけて漏れがないか確認します。精度測定では姿勢差(置く向きによる精度変化)も含め点検します。
もし年に一度これらをプロに依頼できればベストですが、なかなか難しいと思いますので、上記のような日常の注意と定期OHで十分カバーできるでしょう。つまり「日常管理+定期点検」がロレックスの性能維持の鍵ということです。

家電量販店やネット依頼は大丈夫?失敗しない依頼方法

Q. ビックカメラやヨドバシカメラなどの時計修理取次や、インターネットで郵送依頼を受け付けている業者がありますが、そういった依頼方法でも大丈夫でしょうか?失敗しないための注意点はありますか?
A. 結論から言えば「窓口やネット経由でも基本的には問題ありません」。しかし、いくつか注意すべき点があります。

まず家電量販店等の修理取次ですが、これは前述のとおりお店自体は修理せず提携先に送る形式です。大手量販店の場合、その提携先は信頼できる修理専門会社であることが多いので、質が極端に悪いところに当たる心配は少ないでしょう。
ただ、デメリットとしてコミュニケーションがワンクッション挟まる点が挙げられます。例えば「この部分は交換せずに残して欲しい」といった細かな要望が伝わりにくかったり、途中経過を直接聞けなかったりします。
また、量販店スタッフは時計専門の知識が深くない場合もあるので、症状説明がスムーズに伝わらない可能性もあります。

次にネットでの郵送依頼ですが、こちらは事前に業者をしっかり見極めることが大切です。ネット検索するとロレックス修理を受け付ける業者が多数出てきますが、中には実績の少ない業者や、極端に安さを売りにする業者もあります。
公式サイトや口コミをチェックし、信頼できそうか判断しましょう。創業年、修理事例、お客様の声、保証内容などが明示されている業者は比較的安心です。

郵送依頼の場合、輸送中の事故防止も重要です。依頼前に時計の現状写真を撮っておき、梱包は厳重に(できれば緩衝材をたっぷり入れて二重箱に)。配送保険も付けられるなら付けましょう。多くの専門店は郵送キットを無料提供してくれますので、それを活用すると確実です。

失敗しない依頼方法としては、「情報収集・確認を怠らないこと」に尽きます。例えば、見積もり前にいきなり時計を送らず、一度メールや電話で相談してみる。対応が誠実か、質問に明確に答えてくれるかを見極めましょう。
また、見積もりが出たら不明点はしっかり質問すること。ネットの業者でも丁寧に説明してくれるところは信頼できますし、逆に曖昧な回答しかしない所は避けた方が無難です。

なお、メーカー保証期間内の時計であれば、量販店に持ち込んでも結局は正規送りになるだけなので、迷わず最初から正規サービスに出す方が確実です。ネット上には「量販店に出したら結局メーカー送りで時間が無駄だった」という声もあります。
自分のケースがどこに依頼すべきか判断に迷う場合は、ネットで同様の症状事例を調べてみるのも手です。

総じて、窓口依頼や郵送依頼も活用しつつ、大事なのは「信頼できると感じた業者」に任せることです。少しでも不安があれば他を当たるくらいの慎重さでちょうど良いでしょう。大切なロレックスを預けるのですから、安心して任せられると思える先を選んでください。

ロレックス修理で後悔しないためのポイントまとめ

【ロレックス修理のポイントまとめ】

  • 突然ロレックスが止まっても慌てずに、まず「止まった原因」をセルフチェックする(リューズ位置・巻き不足・磁気帯び等)。
  • 簡単な対処で改善しない不調は放置せず、早めに修理・オーバーホールに出して悪化を防ぐ。
  • 正規店・専門店・量販店それぞれのメリットデメリットを理解し、自分の重視ポイントに合った依頼先を選ぶ。
  • 修理前に必ず見積もりを取り、費用・期間・保証内容を十分に把握してから依頼する。
  • 修理後も防水検査や定期メンテナンスを行い、精度と防水性を維持して大切なロレックスを長持ちさせる。

ロレックスの代表モデルであるコスモグラフ デイトナやサブマリーナー、GMTマスターⅡ、エクスプローラーⅠ、デイトジャスト、オイスター パーペチュアルから、最高峰のデイデイトに至るまで、どのモデルも適切なお手入れと修理対応で末永く愛用できます。
高価な精密機械であるロレックスだからこそ、故障時の対応は慎重に、そして確実に行いたいものです。

本記事のポイントを参考に、ぜひ愛用のロレックスをベストな方法でメンテナンスし、その輝きと精度を未来へ繋いでください。

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