ロレックス 夜光塗料の種類と特徴

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ロレックス

暗闇での視認性を高める夜光塗料はロレックス腕時計の重要な機能です。暗闇でも針やインデックスが発光することで時間の確認が容易になります。ロレックスの夜光塗料はラジウムからトリチウム、ルミノバ、独自開発のクロマライトへと変遷してきました。
本記事では各塗料の仕組みと特徴をわかりやすく解説し、最新情報も交えながら比較検証します。あなたに合った夜光塗料の選び方も紹介するので、ロレックス選びの参考にしてください。

ロレックス 夜光塗料の種類と特徴

夜光塗料とは、暗所で文字盤や針が光って時刻が読みやすくなる塗料のことです。一般的には「蓄光塗料」と呼ばれ、太陽光や照明の光を蓄えて暗闇で徐々に放出する性質があります。ロレックスでは大きく分けて放射性物質を使った自発光型と、蓄光型の二つの技術が歴史的に用いられてきました。

夜光塗料とは?

腕時計の夜光塗料には、周囲の光を吸収して暗闇で光る蓄光タイプと、放射性物質の崩壊エネルギーで常に発光する自発光タイプがあります。蓄光塗料は日本で開発されたルミノバ(スーパールミノバ)や、ロレックス独自のクロマライトが代表例です。自発光塗料としては、古典的なラジウムやトリチウムが知られますが、健康面の問題から現在は使われていません。どちらのタイプも視認性を向上させる点で共通しています。

ラジウム

ラジウムは1920年代から1960年代初頭まで使われた自発光型の夜光塗料です。ラジウムの放射線が蛍光物質を常時刺激するため、外部光源がなくても光り続けます。半減期が約1600年と非常に長く、理論上は半永久的に発光する性質があります。ただし、蛍光物質自体が劣化すると輝度は低下し、現在ではほとんど発光しません。ロレックスでは一部の旧型スポーツモデルにラジウム夜光が使われており、文字盤の6時位置には「SWISS」表記のみがある場合があります。ラジウムは放射線を伴うため人体には影響がほとんどないものの、製造時の作業員への健康リスクが問題視され、1967年には国際機関が携帯時計への使用を規制しました。このためロレックスも1960年代前半でラジウムからトリチウムに切り替えています。

トリチウム

トリチウムは1960年代~1998年頃まで主に使われた自発光型の夜光塗料で、放射性物質のトリチウムが長時間一定の光源となります。半減期は約12年とラジウムよりは短く、やがて発光能力が弱くなるため、現在残っているトリチウム塗料はほとんど光りません。文字盤には「T SWISS T」や「SWISS – T < 25」など、トリチウム使用の印が6時位置に記載されており、外側から測定した放射線量が25マイクロキュリー以下で安全基準を満たしていることを示しています。経年劣化により塗料がクリーム色から褐色に変色する「ヤケ」が現れ、その独特の風合いを好むヴィンテージ愛好家も多いです。トリチウムはα線を放出しますが、紙一枚で遮蔽できるほど弱い放射線なので、一般の使用者への影響はほとんどありません。1998年以降、放射性物質を使わない蓄光塗料へと完全に移行しています。

ルミノバ

ルミノバは1998年頃に採用された蓄光タイプの夜光塗料です。放射性物質を含まない画期的な顔料で、太陽光や照明の光を短時間で吸収し、暗闇で鮮やかな緑色に長時間にわたり発光します。従来のトリチウムとは異なり、使用しなくてもほぼ半永久的に発光できる特性を持ち、高い耐久性が特徴です。また従来塗料と比べて約10倍の明るさを持ち、熱や水にも強いのでメンテナンス性にも優れています。2000年代初頭まではルミノバないしスーパールミノバが標準採用され、文字盤には「SWISS」あるいは「SWISS MADE」の表記が刻まれていました。ブラックライトを当てると青白く光るため、識別も比較的容易です。

スーパールミノバ

スーパールミノバは日本企業が開発したルミノバの更に高性能化版で、2000年頃から幅広く使われています。基本的な発光メカニズムはルミノバと同じ蓄光タイプですが、明るさや持続時間が更に向上しており、従来比で約10倍の明るさが得られると言われます。発光色はルミノバ同様緑色で、暗所で明るく発光する時間は数時間に及びます。ロレックスでは2000年代以降の多くのモデルでスーパールミノバが用いられており、針やインデックス、さらには回転ベゼルのルミナスポイントにも塗布されています。そのため現行モデルでも一般的に見られる蓄光塗料で、6時位置には放射性物質不使用のため「SWISS」や「SWISS MADE」とだけ記されています。

クロマライト

クロマライトは2007年から登場したロレックス独自開発の蓄光塗料で、現在の標準技術です。ルミノバ系の長所を受け継ぎつつ、更に発光時間を伸ばすよう改良されており、スーパールミノバのおよそ2倍に相当するとされる約8時間の持続時間を誇ります。発光時の色は鮮やかな青色で、これまで主流だった緑色発光とは見た目が大きく異なります。青色に光るクロマライトは深海探査時計など過酷な暗所環境で視認性を高める目的で採用され、初期はオイスターパーペチュアルやミルガウスで採用されました。2008年発表のディープシーで広く知られるようになり、以来ほとんどの新型スポーツモデルで標準使用されています。青と緑の発色を組み合わせたデザインも可能にし、機能性のみならず意匠的にも新たな展開をもたらしています。

ロレックス 夜光塗料の進化

自発光塗料の時代:ラジウムからトリチウムへ

ロレックス初期の夜光塗料はラジウムが主役で、放射線を使って蛍光物質を光らせる自発光型でした。その後1960年代前半にラジウムの使用が事実上禁止されると、より安全性の高いトリチウム夜光に切り替わります。トリチウムはラジウムに比べ半減期が短く放射線量も低いため、持ち主への影響はほとんどありません。この時期のコレクター用語では「オールトリチウム」と呼ばれるように、文字盤と針の夜光がすべてトリチウムであるモデルが人気を集めました。自発光塗料時代のロレックスは、放射性表示の有無や変色具合から製造年代を推定できる特徴も持ち、ヴィンテージ時計の魅力の一つとなっています。

蓄光塗料の時代:ルミノバからクロマライトへ

1990年代後半から始まった蓄光塗料時代は、トリチウムからの大きな転換期でした。1998年頃にスーパールミノバが導入され、放射性物質を含まない蓄光技術が主流となります。その後2007年にはクロマライトが登場し、ロレックスは独自の技術で夜光性能をさらに引き上げました。クロマライト採用後は新型モデルのほとんどがこれを採用しており、暗所での視認性は以前の倍以上に向上しました。最新技術を取り込んだ夜光塗料への移行はトレンドを牽引し、現代のスポーツロレックスを支える要となっています。

ロレックス 夜光塗料の比較

主な夜光塗料の仕様比較

ここでは主に使われてきた夜光塗料の特徴を表形式で比較します。発光の色や使用期間、放射性の有無などをまとめています。

塗料 特徴・発光色 使用時期
ラジウム ラジウムの放射線で発光
発光色:緑系 (劣化で消失)
1920年代~1960年代初期
トリチウム トリチウム自体が発光源
発光色:緑系 (経年でクリーム⇒褐色化)
1960年代~1998年
ルミノバ 光を蓄えて発光する蓄光塗料
発光色:緑色
1998年~2000年頃
スーパールミノバ ルミノバの改良版 (約10倍の明るさ)
発光色:緑色
2000年~現在
クロマライト ロレックス独自開発 (発光時間約2倍)
発光色:青色
2007年~現在

ロレックス 夜光塗料の選び方

暗所での視認性重視

深夜や暗所での視認性を最重要視するなら、発光時間が長いクロマライトを搭載したモデルがおすすめです。青色発光は長時間明るさを持続するため、ダイビングや登山など暗い環境での使用に適しています。スーパールミノバ搭載モデルも十分に明るく、一般的な夜間使用では十二分な性能を発揮します。いずれも蓄光タイプなので電池交換等不要で常に蓄光可能な点も利点です。

アンティーク志向

ヴィンテージ時計やコレクション向けには、トリチウム時代以前のラジウム・トリチウム夜光に価値を見出す愛好家もいます。これらの古い塗料は経年で味わい深いヤケ(変色)が生じ、現行モデルにはない風合いがあります。ただし、実用的な発光力は低下しているため、購入前には暗所での発光確認が必須です。希少性の高いラジウム夜光搭載モデルは極めて高価になる場合もあるので注意してください。

日常使い向け

普段使いの視点では、安全性に優れた蓄光塗料がおすすめです。ルミノバ系やクロマライトは放射性物質を含まず、ぶつけたり水に濡れたりしても性能が落ちにくい耐久性があります。特にクロマライトモデルは現行の高性能蓄光塗料を搭載しており、デザインバリエーションも豊富です。どんなシーンでも時間を確認しやすいので、ビジネス・プライベート兼用できる一本として便利です。

安全・環境を重視

健康や環境への配慮を重視する方には、当然ながら放射性物質を含まない蓄光タイプがおすすめです。トリチウムでさえも微量の放射線が発生するため、不安な場合は現行のルミノバ・クロマライト搭載モデルを選びましょう。これらの夜光塗料は経年劣化による問題も非常に少なく、メンテナンスや廃棄時も有害物質の心配がありません。近年では技術的にはさらに明るい新型塗料も開発されつつあり、ロレックスの将来の最新モデルにも期待が寄せられています。

まとめ

ロレックスの夜光塗料は、暗所での視認性を高める重要な機能であり、その技術はラジウムからトリチウム、ルミノバ、そしてクロマライトへと進化してきました。各塗料には発光時間や発光色、経年変化といった違いがあり、時計の雰囲気や使用シーンに応じて選ぶことが大切です。最新のクロマライトは長時間青色に光る高性能塗料で、暗所で使う実用性を重視する方に最適です。一方、ヴィンテージらしい味わいを楽しみたいならトリチウム塗料搭載モデルも魅力的です。用途や好みに合わせて最適な夜光塗料を備えたロレックスを選び、暗闇でも快適な時計ライフをお楽しみください。

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