カルティエとロレックスのダブルネームモデルは、時計愛好家を魅了する非常に希少なコレクションです。
その独特な歴史背景と、限定的なサービスから生まれた特別な時計は、高い注目を集めています。
本記事では、カルティエダブルネームモデルの成り立ちや代表モデル、真贋の見分け方などを2025年最新情報を交えて詳しくご紹介します。
目次
ロレックス×カルティエのダブルネームとは
ロレックスとカルティエのダブルネームモデルは、ロレックスの文字盤にカルティエの名称が刻印された特別な時計です。
その誕生背景には、宝飾商のネットワークを活かした販売戦略があり、特別な顧客向けに提供されていました。本項では、ダブルネームモデルの基本的な概要と、カルティエでのサービスについて解説していきます。
ダブルネームモデルの概要
ロレックスのダブルネームモデルとは、文字盤にロレックス以外のブランド名が刻印された時計を指します。
通常モデルでは文字盤にロレックスの王冠ロゴと社名が入りますが、ダブルネームモデルではそこに別のブランドロゴも追加されます。カルティエとのダブルネームはその中でも特に珍しい存在です。
ロレックス自身が積極的に他社とコラボモデルを発表するわけではありません。
ダブルネームは、カルティエやティファニーなどの販売店が販売戦略の一環として実施したサービスによって生まれたものです。本来のロレックス文字盤に、取扱店のブランド名を後から追加した特別仕様といえます。
カルティエでのダブルネームサービス
かつてカルティエのショップでは、ロレックス時計を取り扱っていました。カルティエでロレックスを購入した特別顧客には、購入後に文字盤へカルティエのブランド名を刻印するサービスが提供されていたのです。
このダブルネームサービスは一般客向けではなく、あくまで上顧客向けの限定サービスでした。
ダブルネームモデルとコラボレーションモデルの違い
ここで注意したいのは、ダブルネームモデルがロレックスの公式なコラボレーションモデルとは性格が異なるという点です。
公式のコラボモデルであれば両ブランドが共同開発して発表されますが、ロレックスのダブルネームは取扱店側のサービスによって生まれたものです。ロレックスの文字盤にカルティエの名称を追加しただけの特別仕様モデルという位置づけとなります。
カルティエ×ロレックス ダブルネームの誕生背景
ロレックスとカルティエの提携は創業期から始まっており、世界でも有数のジュエラーとの関係を築いてきました。カルティエもその対象の一つで、長年にわたってロレックスの時計を取り扱ってきました。本項では、カルティエでのロレックス販売の歴史や、ダブルネームサービス誕生の経緯について解説します。
カルティエでのロレックス取扱い
カルティエは伝統的に高級時計の正規取扱店として知られており、20世紀初頭からロレックスもカルティエの店舗で販売されていました。ロレックスは当時、世界各地の有力ジュエリーブランドと提携しており、カルティエでも正規品のロレックスウォッチを取り扱っていたのです。
ダブルネーム導入の目的
ダブルネームサービスが導入された背景には、カルティエの販売戦略があります。高級なロレックスを購入する顧客に対し、文字盤にカルティエ刻印を付加することで特別感を演出し、ロイヤリティを高める狙いがあったと考えられます。要するに、特別な顧客への付加価値サービスとして実施されていたのです。
提供対象: 上顧客限定
しかし、このサービスが提供されたのはカルティエのすべての顧客ではありませんでした。あくまで上顧客向けの特別メニューであったため、カルティエダブルネームモデルは極めて少数しか存在しません。現存する実物は極めて稀少で、一部では「流通したものの中で本物は100本に1本程度しかない」とも言われています。
カルティエダブルネームの代表モデル
カルティエダブルネームモデルは、主にロレックスの人気モデルで見られます。特に1960~70年代のスポーツモデルやドレスモデルにカルティエロゴ入りの文字盤が確認されており、なかでもデイトナやデイトジャストが代表的です。以下では、これら主要モデルの特徴を解説します。
カルティエダイヤル付きデイトナ
中でも有名なのが、デイトナのカルティエダイヤルモデルです。1960年代に製造された手巻きクロノグラフ(Ref.6239など)で、6時位置にカルティエの筆記体ロゴが刻印された例があります。
スタイリッシュなスポーツウォッチに優雅なブランドロゴが加わることで独特の個性が生まれ、時計コレクターの間で強い人気を誇ります。
カルティエダイヤル付きデイトジャスト
ロレックスのドレスウォッチであるデイトジャストにも、カルティエダブルネームモデルがあります。クラシックなRef.1601などで、6時位置に赤いカルティエの筆記体ロゴが入った個体が確認されています。
清潔感のある白い文字盤に赤いロゴがアクセントとなる、エレガントな佇まいが特徴です。
その他のカルティエダブルネームモデル
このほか、アンティークロレックスのごく一部のモデルにカルティエ刻印が見つかる場合があります。例えばヴィンテージのエクスプローラー(Ref.1016 など)やオイスターパーペチュアルにも、その稀少な例が報告されています。とはいえ出回りは極めて少ないため、一般的にはデイトナ・デイトジャストが代表例として知られています。
カルティエダブルネームモデルの特徴と見分け方
ロレックスの堅牢な造りと、カルティエの筆記体ロゴが融合したカルティエダブルネームモデルには、いくつか見逃せない特徴があります。本項では、文字盤デザインのポイントをはじめ、偽造品への注意点や鑑定書の重要性について解説します。
文字盤の刻印と特徴
カルティエダブルネームモデルの最大の特徴は、文字盤に刻印されたカルティエの筆記体ロゴです。通常は6時位置にカルティエの筆記体ロゴが入り、文字色は黒または赤であることが多いです。
オリジナルのカルティエダイヤルでは、ロレックスのデザインと調和した美しいレイアウトが保たれており、偽物とは異なる上質な仕上がりです。
真贋判定のポイント
カルティエダブルネームは人気が高いため、精巧な偽造品も流通しています。真贋判定のポイントの一つはロゴの形状です。正規品では滑らかな筆記体でカルティエのロゴが描かれていますが、偽物では文字が潰れていたり、書体が異なる場合があります。また、ロゴのプリント品質や配置のズレにも注意が必要です。
さらに、時計本体のケース刻印や裏蓋の刻印と合わせて不自然な箇所がないかも確認しましょう。正規品のカルティエダブルネームモデルは、ロレックス純正ケースの造りと文字盤の品質が非常に高く、全体の調和が取れています。少しでも違和感がある場合は、専門家による鑑定を依頼することをお勧めします。
保証書・鑑定証など証明書の確認
カルティエダブルネームであっても、ロレックス本社から正式な保証が出るわけではありません。そのため、購入時には必ずカルティエの販売記録や保証書の確認が重要です。カルティエ発行の保証書や領収書があれば信頼性は高まりますが、それらがない場合は専門家による鑑定書を取得することが安全です。
カルティエダブルネームモデルの希少性と魅力
カルティエダブルネームモデルは希少性が非常に高く、その魅力は時計コレクターから強い支持を集めています。本項では、なぜこれらのモデルが貴重なのか、その理由と具体的な魅力について解説します。
希少性の理由
上述の通り、カルティエダブルネームモデルは提供対象が限定されていたため製造数がごくわずかでした。さらに多くは1980年代以前の古いモデルなので、経年により失われた個体も多いと考えられます。このように流通量が極端に少ないため、コレクション市場で見かけることはほぼありません。その結果、希少性が極めて高まりました。
コレクター人気と魅力
二大名門ブランドの名前が刻まれた時計というユニークさや、カルティエのエレガントな筆記体ロゴは、時計コレクターや高級腕時計ファンにとって大きな魅力です。アンティークロレックスの世界では、時計にまつわる歴史やエピソードも価値につながります。カルティエのダブルネームモデルは独自の背景を持ち、「幻のモデル」として多くの憧れを集めています。
今後の展望
ロレックスとカルティエという二大ブランドの組み合わせは、近年も変わらず注目度が高く、オークションや専門店での人気は依然として高水準です。今後このモデルが増えることはほぼありませんが、その希少性ゆえにその希少価値は維持・上昇傾向にあります。持ち主にとっては特別なステータスであり、今後も愛好家の憧れの的であり続けるでしょう。
まとめ
ロレックスとカルティエのダブルネームモデルは、両ブランドが築いた特別な関係性を象徴する希少なコレクションです。
カルティエでの限定サービスから生まれた独自のデザインとストーリーは深い魅力を生み出し、時計マニアの間で高く評価されています。
購入や鑑定の際は保証書など証明書類を確認し、慎重に検討することが重要です。本記事のポイントを参考に、カルティエダブルネームモデルの世界をより深く理解していただければ幸いです。