ロレックスは世界的なブランドであり、各国で価格差を最小限に抑えるためにメーカーによる価格調整が行われています。
世界中で同等の定価が設定されるようになっており、為替や税制の違い以外に大きな差は生じにくくなっています。
価格差の要因としては、以下のような点が挙げられます。
- 為替レート:為替変動は各国価格に直接影響します。円安になると海外購入時の負担額が増え、円高では割安になります。
- 税金や関税:国ごとに消費税や付加価値税(VAT)、関税の税率が異なります。たとえば、日本では消費税が10%ですが、香港は消費税なし、欧州は20%前後です。
- 免税制度:免税店や旅行者向けの税還付制度も国によって異なります。免税店での購入は消費税分が引かれますが、手数料や申請条件に注意が必要です。
- 並行輸入の影響:海外からの並行輸入品が価格競争に影響するため、ロレックスは度重なる定価改定で各国差を縮小する努力を続けています。
目次
ロレックスが安い国ランキングと特徴【2025年版】
スイス:本社・正規店・現地ならではの価格と事情
ロレックスの本拠地であるスイスでは、定価はスイスフラン建てで設定されており、現地で購入する際にはVAT(約8.1%)が上乗せされます。ただし免税店や適用対象の店舗であれば、免税価格(VAT抜き)で購入できます。
スイスでの免税購入を利用すれば、為替によっては日本より安くなるケースもあります。例えば一部報告では、デイトナなど一部モデルが日本価格よりも約9万円ほど安価になった例があると言われています。
ただし在庫事情は厳しく、スイス国内の正規店でも人気モデルは品薄です。ジュネーブやチューリッヒなど主要都市の正規店や空港免税店で在庫状況を確認し、税還付手続きを含めて計画的に行動するとよいでしょう。
アメリカ:モデルによる価格差と人気の在庫状況
アメリカでは連邦レベルで消費税が課されず、州ごとに0〜10%の販売税が設定されています。定価は米ドル建てで、日本と比べると税抜き価格のみで考えればお得感があります。例えばサブマリーナーデイト(126610LN)の米国定価は約10,650ドル、円換算でおおよそ160万円台です(2025年時点で1ドル≒150円換算)。
円高時にはさらに割安ですが、州税やカード決済時の為替手数料には注意が必要です。人気モデルは米国内でも入手が困難で、ニューヨークやロサンゼルス、マイアミなど大都市の正規店ですら在庫が限られています。
しかしアメリカは販売量が多いため、ロレックススポーツモデルでもたまに店頭に並ぶケースがあります。並行輸入業者が米国から仕入れて国内に流通させることも多いので、相場を把握しておくとよいでしょう。
香港・シンガポール:免税店や穴場ショップのメリット
香港は消費税がないため、ロレックスの正規店価格は米国と同水準ながら税金分お得になります。空港免税店も充実しており、到着時や出発時にブランドショップを利用する旅行者も多いです。
シンガポールではGST(2023年現在8%)が日本より低く、さらに空港や市内の免税店での購入が可能です。チャンギ空港などでは到着免税店で正規品を購入でき、手軽に消費税分を節約できます。
これら両国の正規店では日本円表示はなく現地通貨での購入になりますが、円高時には為替分がお得になります。日本人観光客向けの優遇やプロモーションも時折あるため、最新情報を確認してから訪れると良いでしょう。
その他の海外『買い付け』可能な国と成田免税店との比較
世界にはロレックスを扱う国が多くありますが、タイやマレーシアなど高い輸入税がある国は割高です。逆にUAE(ドバイなど)はVATが5%と低いですが、販売価格は米国相当に設定されていることが多く、日本と比べて大きな差は出にくいです。欧州各国も付加価値税が高いものの、観光客向けに税金還付を受けられます。
一方、日本の空港免税店(成田・羽田)では国内定価から消費税分(10%)が割り引かれた価格で販売されます。品揃えは限られますが、日本円で支払え、帰国後の関税手続きも不要なので安心です。海外旅行が難しい場合には空港免税店での購入が候補になります。
海外でロレックスを購入するメリットと魅力

免税・消費税還付による価格メリットの仕組み
海外では免税店を利用することで、通常の販売価格から消費税相当分を引いた価格で購入できます。
特にヨーロッパやシンガポールなどでは、観光客がVATやGSTの還付を受けられる制度があります。購入時に税関申請用の書類を取得し、帰国時に申告することで支払った税金が還付されますが、手数料分を支払う必要があります。
また、到着免税店や空港免税店では、消費税なしの定価で即時購入できるメリットがあります。ただし、免税価格であっても割引価格というわけではなく、消費税分が免除されるだけである点を理解しておきましょう。
モデル/限定品/現地限定モデルなどの入手可能性
海外に行くと、日本未発売のモデルや限定品に出会えるチャンスがあります。
ロレックスは国による限定モデルこそ少ないものの、ダイヤルカラーや素材の組み合わせで国内未展開のものがあります。また、人気スポーツモデルは日本国内で正規購入が難しい一方、海外の正規店で偶然在庫が見つかるケースもあります。
このように、国内では得られない新鮮なラインナップが見つかる点が魅力です。憧れの地で希少モデルを手に入れられる経験は、大きな喜びにつながります。
日本国内にはない在庫・正規品の発見や購入体験
海外の正規販売店で買うと、保証書に現地店舗名が記載されるなど、その所有自体が特別な体験となります。
日本国内では入手困難なモデルや、まれにブティック限定の仕様に出会えることもあります。実際、スイスやアメリカのブティックでは、来訪者限定のサービスやノベルティを提供することもあるため、ショッピング自体を楽しむことができます。
また、正規品を現地で直接購入できる安心感は大きく、箱やギャランティカードなど全ての付属品が揃った状態で持ち帰れるのもメリットです。
海外でロレックスを購入する際のデメリット・リスク

偽物や並行輸入品・信頼性の問題とその見分け方
海外での購入では、偽物や並行輸入品のリスクに注意が必要です。
正規店以外の店舗や露店、ウェブサイトでは偽物が出回る可能性がありますので、公式認定店(Authorized Dealer)でのみ購入することが鉄則です。
並行輸入品は正規流通品ですが、保証書の発行国が異なるため日本の正規保証が受けられない場合があります。本物かどうかは、保証書やシリアル番号、本体の作り・刻印をしっかり確認して見分ける必要があります。
保証・アフターサービス・正規店でのサポートの違い
正規店で購入したロレックスには国際保証書が付くため、海外で購入した場合も日本の正規サービスセンターでメンテナンスや修理を受けることができます。
一方、並行輸入品や中古購入で保証書がない場合は、メーカー保証が無効となるケースがあります。その場合のメンテナンスは基本的に有料となり、また修理可能なサービスセンターも限定される可能性があるため注意が必要です。
購入直後に不具合が発覚した場合などは、購入店での対応が必要になるため、購入後すぐに試着・確認するなど慎重な手続きをおすすめします。
税金・関税・帰国時の手続きや税関での注意点
海外で購入したロレックスを日本に持ち帰る際は、税関での申告が必要です。
20万円を超える物品を持ち帰る場合、超過分に対して消費税(10%)と関税が課せられます。たとえば300万円の時計を購入すると、100万円(300万−免税枠20万)の額に対して約15%の税率で課税されるため、数十万円の追加費用が発生します。
このため、購入前に現地価格だけでなく帰国時の納税額も計算し、トータルの負担を把握する必要があります。規定違反すると罰則が課されるため、必ず正しく申告しましょう。
言葉・文化・手数料など現地特有のコストとリスク
海外では言葉や文化の違い、取引手数料などの独自ルールもリスクとなります。
現地スタッフと意思疎通が難しいと、思わぬ追加費用や条件が発生することがあります。クレジットカード決済では海外手数料がかかり、現金両替にはレート差があるためコスト計算が必要です。
また、海外旅行そのもののコスト(航空券、宿泊費など)を考えると、たとえ時計自体が安くてもトータルで高額になる場合もあります。このほか、旅行中の盗難リスクや紛失リスクにも注意が必要です。
ロレックス海外購入の具体的方法と流れ
買い付け・並行輸入の流れと必要な手続き
海外でロレックスを購入する方法には、旅行して自分で買いに行く方法と、並行輸入業者を利用する方法があります。
旅行の場合は、まず現地の正規店や免税店を訪問し、モデルやサイズを確認します。購入時にはパスポートの提示が求められることがあります。免税購入する場合は税関用書類を店舗で取得し、帰国時に税関へ提出して還付手続きを行います。
並行輸入業者を利用する場合は、信頼できる業者を選び、カタログやサイトでモデルを指定して購入手続きを進めます。手配後、時計は船便や国際宅配便で配送されますが、到着時に関税が発生します。
いずれの場合も、販売店が発行する領収書や保証書は必ず保管し、後日トラブルがあった際に利用できるようにしておきましょう。
購入時に必ずチェックすべきポイント・注意点
時計購入時には、以下の点を必ずチェックしましょう。
- 付属品の有無:保証書、箱、タグ、余りコマなどが揃っているか確認します。特に保証書は正規品の証明です。
- 時計の状態:新品か未使用品か確認します。中古品の場合は外装の傷やガラスの状態を必ずチェックしましょう。
- シリアル番号と刻印:本物の証としてケース裏面のシリアルやロゴ刻印が正しく入っているかを確認します。これらは偽物と見分ける際の重要な手がかりです。
- 販売店の信頼性:口コミ評価や認定証を事前に調べ、信頼できる正規店か確認してください。非正規店では保証書が付かず、その後のメンテナンスに支障が出ます。
- 契約内容の確認:返品・キャンセルポリシーや保証範囲、支払い条件を確認しましょう。特に海外免税購入の場合は領収書の記載内容に誤りがないか必ずチェックします。
海外正規店・免税店・専門店の違いと選び方
海外にはさまざまな購入場所がありますが、それぞれ特徴が異なります。
正規店(Authorized Dealer)はロレックス公式が認定した販売店で、新品正規品が必ず手に入ります。保証書にも店舗名が記載され、万一の不具合でも確実にメーカー対応が受けられます。ただし人気モデルは入荷が少なく、予約待ちになることがあります。
免税店は空港などにある免税売店で、消費税分の安い価格で購入できます。免税価格は定価から税分が引かれるだけなので、さらに割引があるわけではありませんが、現地通貨で払う金額は税抜きになります。在庫数が限定されている点に注意が必要です。
並行輸入専門店は海外から輸入した新品・中古品を扱います。定価以下で購入できることがありますが、保証書が付かない場合が多く、購入後のサービスには制限が生じる可能性があります。並行品を選ぶ際は信頼できる業者を選びましょう。
比較:日本と海外でロレックスを購入した場合の価格差・在庫状況

最新モデル・スポーツモデルの価格と国内在庫比較
モデル | 日本価格(税込) | 米国価格(税抜) | 在庫状況 |
---|---|---|---|
サブマリーナーデイト 126610LN(SS/黒) | 1,570,800円 | $10,650(約1,600,000円) | 日本・米国とも常に品薄 |
GMTマスターII 126710BLRO(SS/青赤) | 1,633,500円 | $11,300(約1,700,000円) | 人気モデルで入手困難 |
エクスプローラーI 124060(SS/黒) | 1,400,300円 | $8,950(約1,340,000円) | 比較的入手しやすい |
上記のように、海外定価(米国例)を円換算すると、日本と同程度の水準となるモデルが多いことがわかります。
在庫状況も国による違いは大きくありません。特にサブマリーナーやGMTマスターII、デイトナといったスポーツモデルは世界的に人気が高く、日本でも米国でもほぼ品薄状態です。
在庫面では、時期や店舗によるばらつきが大きく、海外で購入するからといって必ず在庫が豊富というわけではありません。並行輸入品や中古市場に頼らず、正規店での購入を重視する場合は、事前に予約や情報収集を行いましょう。
ブランド・モデル別にみる価格動向と人気の理由
ロレックスの各モデルはそれぞれ人気度が異なり、価格にも特徴があります。
スポーツモデル(サブマリーナー、GMTマスターII、デイトナなど)は世界中で需要過多の傾向が続いており、中古・並行市場では定価を上回るプレミアムが付くことがあります。これらの価格は日本・海外とも高止まりしています。
一方、デイデイト(プレジデント)やチェリーニといったドレス系モデルは定価も高いものの、流通量が比較的安定しているため、相場は緩やかに推移しています。リミテッドエディションや廃盤モデルはコレクター需要により国内外ともに価格が上がりやすい点は共通しています。
なお、並行輸入品は為替や流通ルートで価格差が出ますが、現在は各国の定価が近いため、モデルごとの人気・状態・保証の有無が価格に大きく影響しています。
中古・並行輸入品の選び方と注意点
中古品や並行輸入品は定価より安く手に入る場合がありますが、以下の点に注意が必要です。
- 信頼できる販売店で購入する:実績あるショップや査定済みの業者を利用し、偽物リスクを避けましょう。
- 保証と付属品の確認:中古・並行品では保証書が日本向けでないことが多いため、動作保証や修理対応を必ず確認します。
- 価格相場の把握:複数店舗やサイトの価格を比較し、相場と大きくかけ離れたものは避けましょう。
- 輸入品のステータス:海外正規店購入品か並行輸入品かで扱いが異なります。並行品は安い反面、メーカー保証が付かないケースがあります。
ロレックス海外購入後の買取・アフターサービス事情
日本国内での買取価格や評価に与える影響
海外で購入したロレックスでも、買取時は主にモデルや状態、付属品の有無で査定が決まります。購入国自体は査定に大きく影響しません。
ただし、保証書に海外店舗名が記載されている場合、日本の買取店では「並行輸入品」として扱われる可能性があります。その場合は国内正規品より若干低い評価となることがあります。
人気モデルは日本・海外どちらで買っても高価で売れる傾向にあります。中古市場ではコンディションの良い正規付属品つき品が高く評価されるため、購入後は付属品を大切に保管するとよいでしょう。
保証・アフターサービス・メーカー対応の可否を解説
ロレックスには国際保証制度があり、正規店で購入した時計であれば購入国にかかわらず世界中でメンテナンスや修理サービスが受けられます。
一方、並行輸入品や中古購入で保証書がない場合は、メーカー保証が無効となるケースがあります。その場合のメンテナンスは基本的に有料となり、また修理可能なサービスセンターも限定される可能性があるため注意が必要です。
購入店でのアフターケアについても、日本の正規店で購入すれば国内対応が受けられますが、海外店で問題があった場合は購入した店舗に連絡する必要があります。こうした点も含めて海外購入後のサポート体制を確認しましょう。
ロレックスを安く安全に手に入れるために知っておきたいこと【まとめ】
総合的な比較と最適な購入時期・タイミング
ロレックスの購入は価格だけでなく、為替レートや税制、渡航コストを総合的に検討する必要があります。
為替が有利なタイミング(例えば円高局面)や、渡航先の消費税率が低い時期を狙うとお得度が増します。また、セールやディスカウントはほぼないため、航空券代などを割引できる時期に合わせるとよいでしょう。
人気モデルは常に品薄で価格変動が激しいため、最新情報をチェックして購入計画を立てましょう。複数の国で価格と在庫状況を比較し、総合的に最も効率の良いタイミングを見極めることが重要です。
トラブル回避と信頼できる店舗選びのポイント
偽物や詐欺被害を避けるためには、信頼できる正規店や認定店を利用することが最優先です。
購入前には店の評判や認可の有無を確認し、クレジットカードでの支払いを利用して不正リスクを減らしましょう。価格が安い理由を明確に説明できない店は避け、必ず領収書や保証書を受け取ってください。
言語に不安がある場合は通訳を同行するか、日本語対応可能な店舗を選ぶのも賢明です。事前に現地の税還付手続きや関税申告の方法を調べ、不明点を残さずに準備しておけば、安心して海外での購入ができます。
最終判断のために考慮すべき注意点とアドバイス
海外購入では時計本体の価格だけでなく、旅行費用や為替手数料などを含めた総額で判断しましょう。
また、正規購入であっても万が一の修理時に海外に戻る必要はありませんが、購入直後は現地の保証・返品条件を確認しておくと安心です。
リスクとリターンを総合的に天秤にかけ、無理に海外に行くより日本で落ち着いて購入したほうが安心な場合もあります。最終的には、ご自身のニーズと予算に最適な判断をしていきましょう。