長年愛用したロレックスを売却するとき、購入時に付いていた保証書を紛失してしまったという相談は少なくありません。
保証書(ギャランティカード)は正規品であることを証明し、保証期間内の修理を受けるために重要な書類です。
2025年の中古市場では保証書の有無が査定額に影響する傾向があり、特に人気スポーツモデルでは価格差が大きいといわれています。
本記事ではロレックス買取における保証書の役割と、保証書なしでも高く売るためのコツを詳しく解説します。
ロレックス買取時に保証書なしの場合の影響
保証書なしのロレックスが買取価格に与える影響
ロレックスのギャランティカードは購入日や販売店、モデル番号、シリアル番号などが印字されており、正規品である証明書として機能します。
2025年現在、保証書を紛失していても買取自体は可能ですが、査定額が減額される事例が多く見られます。
一般的には箱や付属品が揃った個体に比べて10〜20%程度価値が下がることが多く、人気スポーツモデルでは数十万円単位で差が付くこともあります。
以下の表は、保証書の有無による買取相場の目安を示したものです(いずれも2025年の新価格を基準にしています)。
| モデル | 型番 | 2025年新価格 | 保証書有りの買取相場例 | 保証書なしの買取相場例 | 差額の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| コスモグラフデイトナ | Ref.126500LN | ¥2,349,600(税込) | およそ300万円台半ば | 保証書なしで270万円前後 | 30万円程度 |
| サブマリーナー | Ref.126610LN | ¥1,570,800(税込) | 200万円前後 | 180万円前後 | 10〜20万円 |
| デイトジャスト41 | Ref.126334 | ¥1,602,700(税込) | 100万円台前半 | 90万円台前半 | 7〜10万円 |
| サブマリーナー(旧型) | Ref.16610 | (旧モデルのため新価格なし) | 100万円台前半 | 90万円前後 | 約10万円 |
このように、スポーツモデルほど保証書の有無による差額が大きい傾向があります。
特に新品価格が高く市場で人気が集中しているデイトナやGMTマスターII、スカイドゥエラーなどでは数十万円規模の差が生じることがあり、希少な限定品や新作モデルでは差額がさらに広がる場合もあります。
一方、ドレス系や古いモデルでは保証書がなくても評価がそれほど下がらない例もあります。
状態が良好で、オーバーホールの記録や付属品がそろっていれば保証書の影響は比較的小さくなりやすいでしょう。
保証書なしでも売却できる?買取方法の選択肢
保証書を紛失していても売却は可能です。
ロレックス本体にはシリアル番号が刻印されており、買取業者は真贋鑑定を行ってから査定額を提示します。
保証書がない場合は「買取価格が下がる」「査定に時間がかかる」というデメリットがあるものの、以下の方法を選択することで適正な価格で売却できる可能性が高まります。
- 複数の専門店に査定を依頼し、提示額を比較する
- 箱、余りコマ、タグなど他の付属品を揃えておく
- 購入時のレシートや修理記録などを用意し、来歴を説明できるようにする
- 相場が上昇している時期やモデルの人気が高いタイミングで売却する
- 宅配買取やオンライン査定など、買取方法の選択肢を検討する
特に2025年は円安の影響や新作の発表などでロレックス全体の相場が上昇傾向にあり、保証書がなくても高く売れる例が増えています。
店舗ごとに査定基準が異なるため、複数の業者を比較することが重要です。
オーバーホールや修理における保証書の有無の影響
ロレックスの保証書は購入から5年間のメーカー保証を受けるために必要ですが、保証期間が過ぎれば保証書がなくてもオーバーホールや修理を依頼できます。
日本ロレックスサービスセンターでは機種ごとに基本技術料が設定されており、2025年1月時点での代表的な料金は以下の通りです。
| モデル | 基本技術料(税込) |
|---|---|
| コスモグラフデイトナ | 11万円〜 |
| エクスプローラーI | 9万9000円〜 |
| GMTマスター | 9万9000円〜 |
| サブマリーナー/サブマリーナーデイト | 9万9000円〜 |
| シードゥエラー/ディープシー | 9万9000円〜 |
| ミルガウス | 9万9000円〜 |
| デイトジャスト | 9万3500円〜 |
| オイスターパーペチュアル | 8万2500円〜 |
| デイデイト | 11万円〜 |
| スカイドゥエラー | 13万7500円〜 |
これらはオーバーホールの基本工賃であり、内部部品の交換や研磨などが必要になれば費用はさらに加算されます。
保証期間内であれば修理費用が無償になるケースが多い一方、期間が過ぎている場合は保証書の有無による費用差はありません。
しかし、保証書を保管していると「正規販売店で購入した個体である」ことを示せるため、メンテナンス履歴の信用度が高くなり買取時の評価も上がりやすくなります。
ロレックス買取の基本情報

ロレックスとは?その魅力と人気モデルの紹介
ロレックスは1905年にロンドンで創業し、現在はスイス・ジュネーブに本拠を置く高級時計ブランドです。
完全自社開発のムーブメントや高い防水性能、耐久性を誇るオイスターケースなど、実用性と資産価値を両立させている点が人気の理由です。
2025年時点で注目されている主なモデルと正規店での新価格は次の通りです。
| モデル | 型番 | 特徴 | 新価格(税込) |
|---|---|---|---|
| コスモグラフデイトナ | Ref.126500LN | クロノグラフ機能を備えた代表的スポーツモデル | ¥2,349,600 |
| サブマリーナーデイト | Ref.126610LN | 300m防水を誇るダイバーズウォッチ | ¥1,570,800 |
| サブマリーナー | Ref.124060 | 日付表示なしのシンプルなダイバーズ | ¥1,400,300 |
| GMTマスターII | Ref.126710BLRO | 二つのタイムゾーンを同時に表示する機能 | ¥1,664,300 |
| デイトジャスト41 | Ref.126334 | ドレスとスポーツを兼ね備えた定番 | ¥1,602,700 |
| デイデイト40 | Ref.228238 | 曜日と日付がフル表示されるハイエンドモデル | ¥5,981,300 |
| スカイドゥエラー | Ref.336934 | 年次カレンダーと第二時間帯機能を備える複雑機構 | ¥3,297,800 |
これらの定価は2025年の正規店価格であり、為替や原材料価格の影響を受けて昨年より数%上昇しています。
スポーツモデルの人気は依然として高く、新品の入手が難しいモデルでは中古市場での価格が定価を上回る例もあります。
ロレックスの買取価格を左右する要因
買取価格はモデルや人気度だけでなく、さまざまな要素によって変動します。
具体的には以下の要因が挙げられます。
- 状態:外装の傷やブレスレットの伸び、ガラスの欠けなどは評価を下げます。オーバーホール履歴があり精度が安定している個体は高評価につながります。
- 付属品:箱や保証書、冊子、余りコマ、タグなどの付属品が揃っているほど査定額が上がります。
- モデルの希少性:生産数が少ない限定モデルや人気の配色(グリーンサブなど)はプレミアムが付きやすいです。
- 相場の動向:円安や原材料価格の上昇、新作発表などで需要が高まると中古相場も上昇します。
- 年代とシリアル:製造年代が新しいモデルは状態が良いと評価されやすいですが、ヴィンテージで人気のリファレンスは年式が古くても高額査定になる場合があります。
- 正規か並行品か:正規代理店で購入した個体は保証書や来歴が明確なため信頼性が高く、並行輸入品より高値になりやすいです。
特に2025年はデイトナやGMTマスターIIを中心に国内外で需要が集中しており、相場が高止まりしています。
モデル別の動向を把握し、売却タイミングを見極めることが重要です。
ロレックスのギャランティカードとは?その役割と重要性
ギャランティカードは2000年代以前の紙製保証書に代わって導入されたクレジットカードサイズのプラスチックカードです。
購入日、販売店名、モデル番号、ケース番号などが記載され、正規品であることの証明と保証期間の起算に使用されます。
2020年以降に発行されたカードはデザインが刷新され、購入者名や販売国の表記がなくなり、ICチップを内蔵して真贋判定が容易になりました。
主な役割は次のとおりです。
- 正規販売店で購入した証明となり、メーカー保証を受けられる
- シリアル番号やモデル番号の照合により偽造品を排除できる
- 買取査定時に来歴が明確になるため、査定額が上がりやすい
- 盗難品や不正流通品のリスクを減らす
このカードは一度発行されると再発行が原則として不可であり、紛失すると次に述べるように再発行が難しくなります。
保証書の再発行は可能か?

ギャランティカードの再発行方法と注意点
ロレックスでは原則としてギャランティカードの再発行を行っていません。
正規店でオーバーホールや修理を受けた場合には「国際サービス保証書」と呼ばれるサービスカードが発行されますが、これは購入時の保証書の代わりではなく、修理内容と保証期間(通常は2年)を示すものです。
紛失した場合の対処としては以下の方法が考えられます。
- 購入店舗に相談し、販売記録のコピーなどを出してもらう
- 正規サービスセンターでオーバーホールを受け、サービス保証書を取得する
- 購入時のレシートやクレジットカード明細など、正規品購入の証拠を保管しておく
再発行を謳う業者や非正規の保証書発行サービスは偽造の危険があり、利用すると買取時に大きく減額されたり、最悪の場合は買取拒否の対象となります。
正規に証明できる書類がない場合でも、前述のようにシリアル番号で真贋鑑定は可能なので、むやみに偽造品に頼らないことが大切です。
再発行が買取に与えるメリットとデメリット
サービス保証書や修理記録を保持していることは、メンテナンス履歴の証明としてプラスに働きます。
オーバーホール後に発行されるサービス保証書には修理内容と日付が記載されており、正規メンテナンスが行われたことが確認できるため、保証書なしの状態よりも信頼度が高まります。
一方で、サービス保証書は元のギャランティカードの代替ではなく、保証期間も限られているため、本来の保証書に比べると査定の加点幅は小さくなります。
再発行に相当する書類を揃えることで減額幅を抑えられますが、保証書付きの個体と同等の評価は得られないことを理解しておきましょう。
ロレックス買取にかかる手続き
買取査定の流れと必要な書類
ロレックスを買取に出す際は、以下のような流れで査定が行われます。
- 問い合わせと仮査定:電話やオンラインフォームでおおよそのモデル名・型番・状態を伝え、概算の買取価格を確認します。
- 実物査定:店舗に持ち込むか宅配買取を利用して実物を鑑定してもらいます。専門の鑑定士が外装やムーブメントの状態、付属品の有無を確認します。
- 査定額の提示:状態や市場相場、付属品を考慮した正式な買取額が提示されます。
- 成約・支払い:提示額に納得したら成約手続きを行い、身分証明書を提示して現金または振り込みで支払いを受けます。
必要な書類としては、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)が必須です。
保証書や箱などは任意ですが、これらが揃っているほど査定額の上乗せが期待できます。
店舗選びと査定時のポイント
ロレックスを高く売るには店舗選びが重要です。
時計専門の買取店やブランド買取に強い質屋、ネットの買取サービスなど複数の選択肢がありますが、次のポイントを押さえると安心です。
- ロレックスを専門的に扱っている店舗かどうか
- 最新の相場情報を反映した査定を行っているか
- 査定やキャンセルが無料であるか
- 入金までのスピードや支払い方法の選択肢
- 口コミや実績を確認し、信頼できるかどうか
査定時には分かる範囲で商品の状態や修理履歴を伝え、余りコマやギャランティカードなどの付属品があれば必ず持参しましょう。
高額モデルでは査定士の経験や鑑定技術によって数十万円の差が生じることもあるため、少なくとも2〜3社に査定を依頼するのがおすすめです。
宅配買取の利用方法とその利点
近年は宅配買取サービスを利用してロレックスを売却する人も増えています。
宅配買取では申し込み後に専用キットや梱包材が送られてきて、時計や付属品を同梱して発送します。
査定結果は電話やメールで通知され、合意すれば指定口座に振り込まれます。
この方法の利点は次の通りです。
- 遠方に住んでいても自宅から手軽に利用できる
- 店舗に行く時間や交通費を節約できる
- オンラインで複数社に依頼しやすく、比較検討ができる
- 梱包材や送料が無料のサービスが多い
一方で、輸送中の破損や紛失に備えて梱包を丁寧に行い、保険付き配送を利用するなどの対策が必要です。
また、高額商品の場合は対面での査定の方が安心感を得られる人も多いため、状況に応じて最適な方法を選びましょう。
買取の実績と事例

保証書なしロレックスの買取成功事例
ここでは、保証書を紛失していたにも関わらず満足いく価格で売却できた具体例を紹介します。
2010年頃に購入されたステンレススティールのデイトナで、保証書を紛失していましたが箱と余りコマが全て残っていました。
外装の傷が少なく、定期的に正規オーバーホールを受けていたため機械の状態も良好でした。
保証書付きの相場は330万円前後でしたが、最終的に約300万円での買取が成立し、差額は30万円程度に抑えられました。
2022年に正規店で購入したホワイトロレゾールのデイトジャスト。
保証書を紛失していたものの、購入時のレシートと箱・コマ・タグなどの付属品が揃っており、使用感も少なかったため査定額への影響は小さく、保証書付き相場約102万円に対して約95万円で買取されました。
1990年代後半に購入した旧型サブマリーナーで、紙タイプの保証書を紛失していました。
外装の傷やブレスレットの伸びがありましたが、ロレックス専門店で査定したところ100万円台前半の評価が付き、保証書がないことによる減額は約10万円でした。
ヴィンテージモデルは本体の状態や希少性が重視されるため、保証書が無くても大きな減額には繋がりにくいことがわかります。
これらの事例から分かるように、保証書が無い場合でも本体の状態や付属品、メンテナンス履歴次第では高額買取が可能です。
保証書なしでも高価買取を実現するためのコツ
保証書を紛失したロレックスを少しでも高く売るためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 外装は可能な限り傷を付けないよう大切に使用し、査定前に軽くクリーニングする
- 正規サービスセンターまたは信頼できる専門店で定期的にオーバーホールを行い、修理記録を保管する
- 箱や余りコマ、タグなどの付属品は捨てずに保管しておく
- 相場が上がっているタイミングを見極め、複数の買取店に見積もりを依頼する
- 偽造保証書や非正規の再発行サービスには絶対に手を出さない
特にオーバーホールは精度を維持するだけでなく、正規で行うことでサービス保証書が発行され、メンテナンス履歴を残せます。
保証書なしの場合はこうした記録が査定時の信用につながるため、長期的な視点でメンテナンスを行うことが大切です。
まとめ
保証書なしのロレックス買取における重要ポイント
保証書はロレックスの真贋と来歴を証明する重要な書類ですが、紛失した場合でも買取は可能です。
2025年の市場では保証書の有無によって10〜20%程度の差が出る傾向があり、特に人気スポーツモデルでは数十万円規模の差額が生じます。
一方で、ヴィンテージモデルやドレスモデルでは差額が小さい場合もあり、本体の状態や付属品、オーバーホール履歴などの要素が総合的に判断されます。
オーバーホール費用はモデルによって異なるものの、デイトナで11万円から、デイトジャストで9万3500円からなど、正規サービスセンターの料金を把握しておくと買取時の判断材料になります。
保証書がない場合は他の付属品や記録で価値を補い、複数社で査定を受けることが高額買取への近道です。
今後の購入者に向けてのアドバイス
これからロレックスの購入を検討している人は、将来の資産価値を維持するために以下の点に注意しましょう。
- 正規販売店で購入し、ギャランティカードやレシートを大切に保管する
- 箱や余りコマ、タグなどの付属品はすべて保存する
- 定期的に正規サービスセンターでオーバーホールを行い、修理記録を残す
- 過度なカスタムや社外部品の取り付けは行わない
- 盗難や紛失に備えてシリアル番号や保証書の情報を記録し、保険に加入する
ロレックスは腕時計としての実用性はもちろん、資産としても高い価値を持つ製品です。
保証書を含む付属品をしっかり保管し、適切なメンテナンスを行うことで長く愛用でき、売却時にも高い評価を得やすくなります。
保証書がなくても売却は可能ですが、価値を最大化するためには日頃の取り扱いと記録の管理が欠かせません。
