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なぜエクスプローラー2は人気がない?
ロレックスのプロフェッショナルモデル「エクスプローラーII」は、堅牢な機能性を備えた実用時計ですが、その独自性とは裏腹に市場で話題に上りにくいと指摘されることがあります。
本記事ではエクスプローラーIIの歴史や特徴、ユーザー層などを探りながら、人気が低いとされる理由を明らかにします。
エクスプローラー2の概要と歴史
エクスプローラーIIは1971年にロレックスが初めて探検家向けに開発したモデルで、洞窟など昼夜の区別がつかない環境での使用を想定して作られました。
1980年代から2000年代にかけても改良を重ね、2011年の40周年記念モデルRef.216570へと引き継がれました。Ref.216570ではケース径が42mmへ拡大し、特徴的だったオレンジのGMT針が復活。Cal.3187(現行はCal.3285)を搭載しました。しかしこのモデルは2021年に生産終了となり、その最終的な定価は¥875,600(税込)となっています。
2021年12月に発表されたRef.226570は現行のエクスプローラーIIで、こちらは42mmケースを維持しつつCal.3285を搭載。定価は¥1,477,300(税込)と、旧型から大幅に引き上げられました。これら2025年時点の情報を踏まえ、本記事では最新の価格や市場動向も交えて解説していきます。
人気がない理由とは?ユーザー分析
エクスプローラーIIが注目されにくい背景にはいくつかの要因があります。まずデザイン面では、機能優先の無骨なスタイルが他のロレックススポーツモデルに比べると地味に映り、ファッション性を重視する人には目立ちにくいと評価されます。
また、価格面でも他モデルに比べて上昇率が低いとされ、資産価値重視の層から選ばれにくい傾向があります。
加えてケース径42mmの大ぶりサイズは好みによっては敬遠され、ビジネスシーンで使いにくいと感じる人もいます。さらに、限定版など話題性のある展開が少ないため、メディア露出や話題性で劣る点も要因と言えるでしょう。以下は主な理由のまとめです。
- 派手さに欠けるデザイン: サブマリーナーなどと比較すると投稿数が少なく、注目度が低い
- 資産価値の伸び悩み: 限定版の設定がなく希少性に欠け、中古相場の上昇余地が小さい
- 大きめサイズ: ケース径42mmは好みが分かれるため、男性でも手首が細い人には敬遠されがち
- 話題性不足: ロレックスらしい高級感より実用性を重視するため、トレンド的な注目は集めにくい
エクスプローラー2のデザイン性を評価する
エクスプローラーIIのデザインは機能美を重視した特徴的なスタイルです。一見すると堅牢でシンプルな佇まいですが、GMT針のビビッドなオレンジがさりげないアクセントとなり、他モデルにはない個性も演出しています。視認性の高い大ぶりのインデックスや24時間ベゼルなど、冒険向けの配慮が随所に見られます。以下では具体的なポイントを列挙します。
- 視認性に優れたダイヤル: ブラックまたはホワイトのダイヤルに大ぶりのインデックスと太い針を備え、暗所でも優れた読み取り性
- オレンジ色の24時間針: 初代モデルから継承されたオレンジ針がアクセントとなり、実用性と個性を両立
- 回転しないベゼル: 固定の24時間ベゼルはデザインに安定感をもたらす一方、派手さは控えめ
- 堅牢なケース設計: 42mmのステンレスケースとリューズガードがタフさを強調し、アクティブな印象
- 万人向けの上品さ: シンプルなデザインは飽きが来にくく、コーディネートを選ばない利点も
エクスプローラー2の魅力とは?

機能性と実用性の考察
エクスプローラーIIはツールウォッチらしく機能性にも優れています。Cal.3285ムーブメントの搭載で約70時間のパワーリザーブを確保し、GMT針により2つのタイムゾーンが同時に確認できます。また暗所で長時間光るクロノライト夜光や100m防水など、日常的な信頼性も高いです。以下に主なスペックや特徴をまとめます。
- Cal.3285搭載: 約70時間のロングパワーリザーブと自動巻き機構
- 24時間表示: GMT針による2か所の時刻表示が可能(実用的なデュアルタイム機能)
- クロノライト夜光: 暗闇でも光が長持ちし、視認性を向上
- 100m防水: 優れた防水性能で、日常生活やレジャーシーンに安心
- 耐久性の高さ: 耐蝕性のあるステンレス製ケースと堅牢なブレスレット
他のロレックスモデルとの比較
エクスプローラーIIを他モデルと比較すると、特徴がわかりやすくなります。特にサブマリーナーやGMTマスターIIと並べて見ると、機能やサイズ、価格の違いが明らかです。以下に2025年時点の正規定価と主な仕様を表にまとめました。
| モデル | ケース径 | 機能 | 2025年定価 |
|---|---|---|---|
| エクスプローラーII (Ref.226570) |
42mm | 日付・24時間GMT針 | ¥1,477,300(税込) |
| GMTマスターII (Ref.126710BLRO) |
40mm | 日付・24時間GMT針 (回転ベゼル) |
¥1,664,300(税込) |
| サブマリーナー (Ref.124060) |
40mm | 日付なし (300m防水) |
¥1,400,300(税込) |
| エクスプローラーI (Ref.124270) |
40mm | シンプル3針(デイトなし) | ¥1,104,400(税込) |
表からもわかるように、エクスプローラーII(Ref.226570)は現行モデルで¥1,477,300(税込)の定価が設定されています。サブマリーナー(デイトなしRef.124060)は約¥1,400,300、GMTマスターII(赤青ベゼルRef.126710BLRO)は約¥1,664,300(税込)と、似たケース径ながらやや高めです。一方、エクスプローラーI(Ref.124270)は¥1,104,400(税込)で、機能が絞られている分だけ定価は低くなっています。
エクスプローラー2の買取市場はどうなっている?
買取業者の情報によれば、現行Ref.226570モデルの白文字盤は未使用品で約150万円前後、黒文字盤で約140万円前後といった水準で査定されています。旧型Ref.216570も状態次第で100万円以上がつく堅調さです。たとえば、Ref.216570の白文字盤は付属品完備で約120万~130万円、使用感のあるものでも100万円前後の価格が一般的です。以前の世代モデルもここ数年で価格が上昇し、現在は概ね80万~100万円台で落ち着いています。全体として、エクスプローラーIIは他のロレックススポーツモデルほど上昇率は高くないものの、安定した需要によって定価以上の価値が維持されています。
エクスプローラー2の使用シーンとユーザー層

芸能人や著名人の着用例
エクスプローラーIIは意外なことに俳優やミュージシャンなどの著名人にも愛用されています。日本では俳優・歌手の長瀬智也さん(TOKIO)や木村拓哉さんが旧型のエクスプローラーIIを愛用していることが知られています。また、B’zの坂本昌行さんは新型Ref.226570の黒文字盤を着用し、お笑い芸人の徳井義実さんや俳優の松山ケンイチさんは旧型Ref.216570の白文字盤を愛用しています。海外でも俳優ジェイソン・ステイサム氏がエクスプローラーIIを着用していた例が報じられています。
カジュアルシーンでの活用
カジュアルなシーンでは、エクスプローラーIIの堅牢さと機能性が活かされます。例えばアウトドアやスポーツ観戦では100m防水と耐久性が安心材料です。旅行や出張ではGMT機能で異なるタイムゾーンの時刻が読み取りやすく、使い勝手の良さが光ります。また、無骨なスポーツウォッチらしい外観はジーンズやミリタリー調の服装によくマッチし、タウンユースでも個性を演出できます。主な利用シーンを以下にまとめます。
- アウトドアで活躍: 防水性能と耐久性が高いため登山や釣りなどでも安心
- 旅行・出張: 24時間針で現地時間との時差確認が容易、複数タイムゾーンでも重宝
- カジュアルファッション: 無骨なデザインがジーンズやミリタリーテイストの服装と好相性
スーツスタイルとの相性
ビジネススーツには「大きすぎる」という意見もありますが、体格やコーディネート次第で違和感は軽減します。シンプルな無地のスーツに合わせると程よくカジュアル感が加わり、全体の着こなしが引き締まります。ジャケットの袖口から時計が少し覗くことでアクセントになることもあります。一方で、よりフォーマルな場面ではエクスプローラーIやドレス系モデルを選ぶ人が多いのも事実です。以下にポイントを整理します。
- 余裕のある着こなしに最適: 42mmでも太めの手首なら違和感なく合わせられる
- ジャケパンスタイルとの相性良好: カジュアルダウンしたスーツスタイルを程よく引き締める
- フォーマル場には不向き: 厳密なビジネスシーンや礼服では小型モデルやドレス系を選ぶ傾向
エクスプローラー2の価格推移と今後の見通し
買取価格の推移と評価
近年の買取価格を見ると、エクスプローラーIIは全体的に右肩上がりで推移しています。2020年代前半からロレックススポーツモデルの高騰が続く中で、現行Ref.226570も一時は定価を超える水準で取引されました。また、旧型Ref.216570は生産終了後に需要が再燃し、中古価格が上昇基調にあります。歴代モデルもここ数年で相場が上昇し、2010年代前半よりも高い水準で安定しています。総じて、エクスプローラーIIは他モデルほど急激ではないものの、一定以上の価値を維持しています。
現行モデルとの価格差の理由
現行モデルと旧型との価格差には需要と供給の影響が表れています。現行Ref.226570は新定価がRef.216570時代よりも大幅に引き上げられたため、中古市場での値上がりは小さく定価前後で落ち着く傾向です。一方、Ref.216570は生産終了後に中古流通量が減少し希少性が高まったことで、定価¥875,600を大きく上回る価格がつくことがあります。旧型が高騰したのは生産終了を機に希少価値が認められたことが主因で、新型は供給が豊富な分だけ定価との差が小さい状況です。
市場の動向と今後の期待
今後の市場では、現行Ref.226570の生産が続く限り大きな変動は少ないと予想されますが、仮に生産終了となった場合は価格が跳ね上がる可能性があります。スポーツモデル人気が高い状況は継続しており、エクスプローラーIIも安定した需要が見込まれます。また、アウトドア志向の高まりからツールウォッチへの注目は根強く、ラインナップ拡充や限定モデルの追加があれば再び注目を集めるでしょう。
エクスプローラー2の査定と販売メソッド

専門店による査定の重要性
エクスプローラーIIの価値を正確に判断するには、ロレックス専門店や大手の買取業者での査定が重要です。知識豊富な査定士はモデルごとの特徴や最新の市場動向を把握しており、付属品の有無や時計の状態を総合的に評価してくれます。
特に保証書・箱・コマなどが揃っていれば査定額がアップするケースが多いため、これらを準備して専門店に持ち込むとよいでしょう。
中古市場での販売戦略
中古販売では、商品のプレゼンテーションと販売ルートが重要になります。まず外装やガラスに目立つキズがないか、箱・保証書など付属品が揃っているかをチェックし、可能ならばメンテナンス済みの状態で売りに出しましょう。
販売価格は需要に見合った適正価格に設定し、複数の店舗やオークションサイトで相場を比較するのがお勧めです。また、在庫の少ないモデルは高値で交渉しやすいため、販売タイミングを図るのも戦略の一つです。
買取価格を最大化する方法
買取価格を引き上げるには、査定前の準備と業者選びがカギです。まず付属品(箱・保証書・余りコマなど)をすべて揃えて査定に出しましょう。
新品未使用に近い状態や未記入の保証書があるとプレミアがつきやすく、逆に目立つ傷や劣化がある場合は事前に外装仕上げを依頼することも有効です。複数の買取店で見積もりを比較し、買取強化キャンペーンを活用することも高額査定のコツです。具体的な方法は以下の通りです。
- 付属品を完備する:保証書、外箱、コマなど新品購入時の付属品があると査定額が大幅にアップ
- 新品・未使用ならプレミアム:タグ付き未使用品や保証書未記入品は高額が狙いやすい
- 磨き・整備を依頼:傷や汚れを消すことで印象が良くなり、査定評価が上がる場合もある
- 査定相見積もり:複数業者に査定してもらい、最も高い提示額を選択
- 買取キャンペーンの活用:キャンペーン期間やクーポン利用で上乗せ査定を受ける
まとめ:エクスプローラー2の位置づけ
エクスプローラーIIが市場で目立ちにくくても、その価値が低いわけではありません。むしろ他モデルにない「実用性と堅実さ」を重視する人には好都合な存在です。たとえば、類似スペックのサブマリーナーやGMTマスターIIと比べると、中古価格は割安でコストパフォーマンスに優れています。また、派手さを求めないコアな愛好家や初めて高級時計を手にする人にとっては、あえて地味なモデルを選ぶことで希少性や個性を楽しめます。
自分のライフスタイルに合ったエクスプローラーIIの魅力を改めて考えてみましょう。アウトドアや旅行での実用性、他人と被らない個性的なデザイン、そして価格面でのメリットなど、多角的な視点で評価することで新たな発見があります。人気・不人気だけでは測れない価値が、この時計には詰まっています。
今後のブランド戦略と展望
ロレックス全体としてはエクスプローラーIIを探検家向けラインとして継続する姿勢が見られます。現行Ref.226570は現行型として完成度が高いものの、将来は新素材や限定モデルが追加される可能性があります。また、アウトドア志向の高まりに合わせてブランドが特定用途に特化したプロモーションを展開することも考えられます。今後の改良や新バリエーションが投入されれば、再び注目が集まるでしょう。
エクスプローラー2を見直す視点
エクスプローラーIIを選ぶ際には、以下のポイントに注目してみると良いでしょう。
- 実用重視の魅力: 24時間GMT針や大ぶりのインデックスで視認性に優れ、冒険や旅行での使い勝手は抜群
- 価格のメリット: 同スペックの他モデルより定価も中古価格も控えめで、コストパフォーマンスが高い
- 個性の表現: 派手さより質実剛健さを重視する人には一線を画せる個性的な選択肢
- 着用感の確認: 42mmの大きさは人によって評価が分かれるため、購入前に必ず試着して自分のスタイルに合うかを確かめる
以上のように、エクスプローラーIIは「人気がない」と言われる背景はありますが、それを踏まえたうえで再評価する価値あるモデルです。最新の市場情報をもとに、自分に合ったロレックス選びの判断材料に役立ててください。